ノマドランド


2020年ヴェネツィア国際映画賞金獅子賞
第93回アカデミー作品賞/監督賞

原題:NOMADLAND
監督・脚色・編集・製作:クロエ・ジャオ
撮影監督:ジョシュア・ジェームズ・リチャーズ
音楽:ルドヴィコ・エイナウディ
原作:ジェシカ・ブルーダー


風の時代……と感じた。ものすごくしずかで、ありえないほど没入感が高い映画。

没入感の高さから『燃ゆる女の肖像』を思い出したりしたものの、エモやドラマ性の強さはなく、ドキュメンタリーとフィクションの間を縫うような淡々とした語り口。最初は「わたしにも高齢になってからのノマドできるだろうか……」という気持ちで観ていた。中学生からの寮暮らしの影響か、物を多く所有するのが苦手。ひとりでいるのも好き。気質的には向いている気もする。からだもつよい。ただ、DIY精神や人間関係のフラットさに難があるかも…。あとやっぱりお風呂は入りたいし、こんなごはんを食べていたら健康は維持できないな、など。

放浪の民という道を選び取って生きていても(だからこそ?)、過去や思い出は後生大事に抱えて生きていくしかない。思い出のお皿が割れてしまうシーンや車中生活よりもよほど緊張して見える訪宅のシーンなど放浪者の心を映しとる繊細な描写。そして、観る者を圧倒する雄大な自然描写、ふつうに生活していたらついぞ観ることのない風景。この2つがていねいに織り紡がれているのが印象的だった。

ここのところ、多様性の受容やダイバーシティがトレンドだっただけに、開拓の時代に回帰するような在り方は自由で心強く感じる一方、すこしおそろしくもあった。もう国家や社会は本当に崩壊しかけているのかもしれない。自分の身を守ること、自分の人生を生きること、と同時に次代のことが頭をよぎる。「姉にお金を借りる」という選択肢はとても重かった。経済や家族という資本。

劇伴がとても良くて、正直音楽と撮影がそのまま映画の印象になっているような気がしなくもなかった。クロエ・ジャオ監督のMCU、どんな感じになるんだろう?


★★★★

サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ


第93回アカデミー編集賞

原題:SOUND OF METAL
監督:ダリウス・マーダー
脚本:ダリウス・マーダー、エイブラハム・マーダー
撮影:ダニエル・バウケット
編集:ミッケル・E・G・ニルソン
美術:ジェレミー・ウッドワード
衣装:メーガン・スターク・エバンズ
音楽:エイブラハム・マーダー ニコラス・ベッカー
原案:ダリウス・マーダー 、デレク・シアンフランス


すっと心の芯に届くような映画。要所に心に残るせりふを配置しながらも、基本的には繊細な描写、そして圧倒的に豊かな音が自然と染み入ってくる。
夫がハードコアバンドをやっていて、やはり耳を悪くした経験があるので、思い入れずに観ることができなかった。

まず冒頭のトレーラー暮らしの描写だけで、このカップルの人となりや抱えている問題、チャーミングさが端的に伝わり、引き込まれてしまった。見てくれややっている音楽がハードコアな男が、恋人と聴く音楽はスイートなのはよくあることで、かわいらしい。問題を抱えながらも、つつましくもおだやかな朝を迎えている様子は、なんだか泣けてくるほど愛しくしあわせな描写になっている。


そこから、ルーベンが聴力を失い、自助グループに入ることになる。生々しい音質で表現される、耳が聞こえなくなっていく焦燥感・恐怖感。ふだん気にしていなかった日常や自然のささやかでうつくしい音々。音のない世界に見出す新しく豊かなコミュニケーション。すべり台を叩く振動を使ったコミュニケーションのシーンは、真新しい喜びにあふれている。

恋人ルーとの将来を焦ったルーベンは、インプラント手術を受けることでまた居場所をなくしてしまう。ここで示されるルーベンとルー、自助グループリーダーのジョーの選択は、自分が彼らの立場だったらもしかしたら違う選択をするかもしれないものだが、それでもとても自然で筋が通ったものに感じられる。このキャラクターならこうするだろうな、という説得力がある。

全編を通して語られている、喪失の痛み、新しい世界の中にある豊かさ、新しい生き方へ向かう希望とせつなさ。それらが「聴力」に限られたものではなく、「恋愛」や「若さ」にも射程を広げた物語になっているところが、とても味わい深かった。若いときに観ていたら、こんなに感動しなかったかもしれない。
ラスト、ルーベンの耳に響く鐘の音は、インプラントを通すと耳障りであると同時にメタルのドラムのようで妙に格好良くもあり、「はずす」先に訪れる静寂の安寧と共に、「はずさない」という選択肢にもかすかに光を当てているようで、忘れがたい着地になっていると感じた。
とても静かな映画なのに、おそろしく胸を揺さぶられた。


★★★★★
 

メランコリック

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風呂屋さんの仕事も、結構あぶないんですね。
バイトを始めた銭湯は、深夜に風呂場で人を殺していたー。
日々を憂鬱と感じる全ての人に送る、巻き込まれ型サスペンス・コメディー。
和彦役の皆川暢二、松本役の磯崎義知、田中監督による映画製作ユニット「One Goose」の映画製作第1弾作品。

監督・脚本・編集:田中征爾
助監督:蒲池貴範
撮影:高橋亮


予想を超えてしみじみ好きな映画だった。
メインビジュアルはミスリードなのか、連想されるようなダークさよりも、癖になるオフビートさが先に立つ。
シュールコントのような設定と、妙にほっこりする世界観は、日本の漫画ではわりと味わえるけれど、映画では意外となかったかもしれない。

とにかくキャラクターの実在感が全てを補強している。主人公の和彦の東大いるいる感。どんどん魅力が加速していくのが心地良すぎる松本。彼女の百合ちゃん、なんか好感持ってしまう後輩でいたわ、こういう子!もしかしたら、世界の片隅では本当にこんなことが行われているのかもしれない、と思わせてくれる。あの本棚と食卓!

物語は予想とちがう方向に転がっていくように見えるが、終わってみると、最初からずっとこの話をしていた、と思える展開も秀逸。銭湯という舞台を活かしきった設定とテーマがどんどん効いてくる。
見た目や学歴からくる偏見(東大行ったらいい会社入ってしあわせにならなきゃいけないんですか!?)。仕事論や世代格差(夢や希望を持てない若者から信頼すら搾取する既得権益老害)。「絶対やばいやつだろ…」と思っていた両親の斜め上ゆくズレ方(ここまで到達できたらもう黙って拍手するしかない)。
そして、思わぬ方向からツボをぐいぐい押された後に着地する、刹那のきらめきを信じたラスト…。長くは続かないとわかっているからの、この瞬間のかけがえなさ。モラトリアム映画の真骨頂に完全にぐっときてしまった。


★★★★

シン・エヴァンゲリオン劇場版

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さらば、全てのエヴァンゲリオン

企画・原作・脚本・総監督:庵野秀明
監督:鶴巻和哉中山勝一前田真宏
総監督助手:轟木一騎
総作画監督錦織敦史
副監督:谷田部透湖、小松田大全
編集:辻田恵美
音楽:鷺巣詩郎
テーマソング:宇多田ヒカル


ちゃんと終わってて鬱エンドじゃなければ祝福できる!
わたし世代の観客はほぼほぼそんな気持ちだったんじゃなかろうか?
熱心なファンでないにせよ、青春時代からエヴァと共に年をとってきて、庵野監督のプライベートも大枠は把握していて。
安野モヨコの『監督不行届』の巻末インタビューで、監督は「嫁さんのマンガは、マンガを読んで現実に還る時に、読者の中にエネルギーが残るようなマンガ。読んでくれた人が外側に出て行動したくなる力が湧いて来るマンガ。現実に対処して他人の中で生きていくためのマンガ」と評していて、新劇はエヴァでこれをやろうとしたんだと思う。そして庵野監督が「もうエヴァに乗らなくていいようにする」!

その志が痛いほど伝わる最終章だった。これ以上の、これ以外の、終わらせ方はないと思う。
もはやドキュメンタリーだから、感謝と祝福しかない。
安野モヨコなくして新劇なし。

ただ感情的には、大人になった登場人物たちに、うれしさよりさびしさが勝った。
思い返すだに、わたしはみんなのエゴや身勝手をけっこう愛していたんだな、と思う。
父親の罪の決着をつける必要なんてないよ、シンジくん。幸せになれたならいいけど。*1
第三村パートは、自分も子どもを大事にして、シンジくんを癒す側の大人にならなきゃな、と身が引き締まる思いになりつつも、委員長ヒカリの描写はキツかった。子ども生んだら即身成仏ゴールみたいなのほんとやめて〜。

そして、ふり返ると改めてふるえる、宇多田ヒカルの天才ぶり。たぶん庵野監督すら手探りだった新劇の旅路の、本質と結末を最初から見抜いていたかのように思える、曲調と歌詞。神がかりがすぎる……。

ちなみに、このタイミングで序破Qを観返していたら、娘(4才)もハマったので覚書。

  • 序が一番好き
  • 第五使徒を「ハーハー」(鳴き声?)と呼んで好んでおり、ヤシマ作戦をリピしまくっている。
  • 登場人物はシンジくんが一番好き。理由は「いちばんがんばってるから。おやますわりしてるから」。「シンジくんとなかよしでやさしいから」カヲルくんも好き。
  • 超簡素化して説明するんだけど、Qの説明は本当に難しい。理不尽さばかりが伝わってしまう。とくに「なんでミサトさんはせつめいしてくれないの?」「なんでシンジくんはやりぬいちゃうの(なんでカヲルくんのおはなしきいてくれないの)?」はうまく答えられない。


★★★★

*1:元カノ肥やし無双みたいなのは若干気になったが

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件

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監督・脚本・美術:エドワード・ヤン
脚本:ヤン・ホンカー、ヤン・シュンチン、ライ・ミンタン
撮影:チャン・ホイゴン
編集:チェン・ポーウェン
美術:ユー・ウェイイン
録音:ドゥー・ドゥージー
音楽監修:チャン・ホンダ


すさまじい画の引力…。光と闇と色彩に、長尺を感じないほど惹きつけられた。

青春の危うさ、人の弱さ、それぞれの切実さ、世界の残酷さ、届かない言葉、手からこぼれ落ちてしまうものー。透徹した目線で捉えられたやるせなさに胸が苦しくなるのに、ふしぎとほのかな明るさと希望が残る。

今の台湾の情勢を思うと、なおさら感慨深かった。

ちなみに通しての鑑賞はかなわず、中盤は昼寝から起きてしまった娘(4才)といっしょに観たりしていた。真剣な顔で観ているので、「つまらなくない?」と尋ねたが、「けっこうおもしろいよ」という答えが返ってきた。幼児をも惹きつける画の引力……。「この女の子はひとりになりたいんじゃない?」と言っていて、幼児にすら伝わる何かに恐れ入りました。

すばらしき世界

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この世界は 生きづらく、あたたかい。
実在した男をモデルに「社会」と「人間」の
今をえぐる問題作

監督・脚本:西川美和
編集:宮島竜治
撮影:笠松則通
照明:宗賢次郎
録音:白取貢
美術:三ツ松けいこ
衣装デザイン:小川久美子
ヘアメイク:酒井夢月
音楽:林正樹
原案:佐木隆三


けっして一面ではない、この世の、人の、残酷さ、うつくしさよー!

西川映画は、師匠の是枝監督と比べると、こちらが思いを馳せる余白をより多く残してくれている気がして好きだ。
個人的な体感でしかないのだけれど、例えば「差別」という概念ひとつとっても、是枝監督の場合、極力フラットに描いていても、うっすら監督の主張やメッセージが透けて見えるのに対して、西川監督の場合、ただ「そこにあるもの」として描き、観客に思考をあずけてくれるような作風に感じられる。観客によっては、突き放されたような無責任さを感じる場合もあるかもしれないが、わたしには、監督が基本的に観客ひいては人間を信頼し、いい意味で理解をあきらめている証のような気がする。

人物の描き方は、いつも多面性やわからなさがきちんと残してあって、本当にすごいなと思う。
例えば、長澤まさみ演じるプロデューサー描写の鮮やかさったらない。役所広司演じる三上をまさに「食い物」にしそうな雰囲気を漂わせながら薄っペらい正論をぶってみせ、「しかも焼肉屋に白ワンピ……」と観客を閉口させた後に、彼女なりのポリシーを炸裂させてみせる。「撮らないなら止めろ!止めないなら伝えろ!」ここに仲野太賀演じる津乃田が配置してあるから、観客はハッとしながらその後の津乃田の三上との関わり方の選択に寄り添っていける。しかもその選択は「止めて書き残す」ものになっていく。一時が万事この見事さよ!

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役者陣は皆すばらしかったけれど、その中で、中心を張る役所広司の実在感たるや……!実は三上が周りの人々と交流を深めていくシーンは必要最低限だ。それでもその不器用さと不思議な魅力に人が惹かれるところに、ゆるぎない説得力がある。乱闘シーンもすごかった。アウトローの方に喧華が強い人の条件を聞いたことがあるのだが、それは体格やテクニックではなく、「判断のスピードと躊躇の無さ」なのだそうだ。その後の邪気の無さも含め、本職の人に見えておそろしくなった。

わたしたちには、各々の偏見や価値観や事情やつながり方があって、それらをすり合わせたり、時には目をつむったりして生きている。それはもはやどちらが歪んでいるのかわからなくなることだけれど、それでも三上の周りに残った人のように、「できないこと」を受容し、自分のできる範囲で変わり力を尽くすことでしか、より善い世界をつくることはできないのだと思う。弁護士夫妻もケースワーカーも婦警も、分相応の範囲内での最善を尽くして、三上と向き合っていた。

スーパーの店長の「今日は虫の居所が悪いんだね。また今度話そう」という態度には、本当に頭が下がった。わたしは、もう自分の言葉が届かなくなってしまった相手に対して労力かけたくないドライ人間なので、まちがいなくシャッターガシャーン案件だったから。ただ、わたしの友だちにも辛抱強く対話できる人がいて、「どうしてできるのか?」と問うたところ、「もはやその人のためというよりその人の後ろにあるものに立ち向かうため」*1という答えが返ってきて、このスーパーの店長も「三上をあきらめたくない」という思い入れの上に、町内会長としての社会意識みたいなものが乗っていたのかな、と思った。自分も年齢的に社会との関わり方を強く考えさせられた。

ラストの三上の一日は思い出しただけで泣けるし、それが明日に続いていたらどうなっていたかを考えると切なくて苦しい。
もっと救いなく描くこともできたと思うけれど、より希望やあたたかさの方に目を向けて描いていることに、西川監督の優しさを感じた。(これは原作があるからかもしれない。)
「娑婆は我慢の連続ですよ、我慢のわりにたいして面白うもなか。そやけど、空が広いち言いますよ。」


★★★★★

*1:例えば、カルトにハマってしまった友だちが聞く耳を持たなかったとしても、そのカルトの存在自体を見てみぬふりはできない、というモチベーション

花束みたいな恋をした

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何かがはじまる予感がして、心臓が鳴ったー。
いまを生きるすべての人へー
坂元裕二脚本で贈る、終電後に恋に落ちた2人の忘れられない5年間。

監督:土井裕泰
脚本:坂元裕二
助監督:石井純
編集:穗垣順之助
撮影:鎌苅洋一
美術:杉本亮
衣裳:立花文乃
ヘアメイク:豊川京子
音楽:大友良英
イラストレーション:朝野ペコ


好みかどうかはさておき、地獄の釜の蓋が開き、友だちに連絡せざるを得なくなる映画。
カルチャー論や仕事論を持ち出した指摘は、どこか的はずれになってしまう。
これが真っ向からの「恋愛映画」で、しかも大学〜社会人初期という「何者」期を扱っているから。
ゆえに触媒として非常に強固なつくりで、人生経験によって感想が全く変わってくると思う。
使いたくない言葉だけど、コスパ最強……!

とにかくいろんなひとの感想を聞いてまわるのが楽しい。もはや実際に映画を観ていない友だちと話していてすら楽しい。*1「このカルチャーチョイスおかしくない?」(エンジニアおじさん世代)という感想と並行して、「わたしもこの本棚…!この曲カラオケでデュエットするの夢だった」(リアル世代)、「こんなふうにならないか恐怖」(ネクストジェネレーション)という感想が流れ、もう感想の出方も阿鼻叫喚の様相を呈している。


きのこ帝国 - クロノスタシス(MV)


絹は東京っ子で、広告代理店家庭の末娘。カルチャーを好奇心や冒険のトリガーにしているタイプに見える。押井守は「好きか嫌いかは別にして」。
対する麦は新潟出身。ラストまで観ると、カルチャーは自己補償のアイテムで、他のなにかで置き換え可能なタイプだったのかなという気がする。押井守は「神」。

ACCとファミレスを両立しているおねえさんを見ていながら、どてら姿で就活してしまう麦の描写とか、本当に端的で周到だよなーと思う。

2人どちらも悪くないし、そもそも恋愛に「正しさ」の話は全然意味がない。ありていに言ってしまえば、タイミングの問題だと思うのだけれど。ラストなんとなく余裕ができて、色々なことのバランスや距離感が取れるようになったように見える麦。たぶんこの頃つきあっていれば、中身は同じ内容でももっと上手くプロポーズできて、結婚していたと思う。
「我々のこれまでの道のりは美しかった。あと一歩だった」ほんとそれ。

自分史に重ねあわせると、心当たりが多すぎる。
大学生時代は、写真専門学校生*2とつきあっていたし、20代は、初期の麦絹みたいなサブカル仕草が楽しすぎて、「いつまでいけるかわからないけれどいけるところまではいこう…」と散々遊びまわったあげく、33才にしてようやく京王線界隈の(!)カルチャーつながりで(!)結婚したわたしですので…。
終電逃してからの散歩コースとか既視感ありすぎ地獄。本棚/レコード棚チェックはもちろん、靴箱チェックも当たり前だったし*3韓英恵みたいな友だちいたよ……。*4
異論はあるけど、たぶん当時わたしが絹みたいに見えてたんだろうな、と思い当たる恋愛経験*5もあり、その鮮やかすぎる可視化!可視化よ!

結婚して7年。曲がりなりにも良好な関係を築いている身としては、サブカルカップルにエールを送りたい気持ちにもなった。
わたしと夫はそもそも趣味・嗜好はそれほど似ていないけれど、カルチャーに自分なりの情熱とお金と時間をかけることや、そこから得たものの大きさに理解はあるから、仕事や育児とバランスを取りながら、長い目で見てカルチャーを愛するライフスタイルを築いていると思う。
共通の友だちも多いし、お互いをおもしろがれて、楽しいよ!
個人的に教訓めいたものを受け取ったとすれば、「自分がすきなもの/パートナーがすきなもの に敬意を払うことはだいじ」ということ。麦絹がお互いそれをできなくなっていく様子は、見ていて本当にかなしかった。興味なかったミイラや啓発本にも、おもしろいとこ探せたらよかったんだよな。



フレンズ「NIGHT TOWN」


ファミレスのシーン、わたしも、となりに座っていた同い年くらいのおじさんも、嗚咽。ファミレスにおける「菅田分岐」についての思いは、『ブルーバレンタイン』と同じく結婚に対する期待値の高さが出るんだと思う……。

こんな感じで、自分は年齢・年代がはずれているので、一応足場を確保したまま鑑賞できたのですが、致命傷になる人もいるのでは…。あー、早く友だちと感想会ひらきたい。とりあえず、わたしが見て回った中では、Spotify「別冊アフター6ジャンクション」の古川耕さんの感想が一番自分と近かったです。


★★★★

*1:観ずにすごい精度の二次創作あげてくる輩もいる

*2:しかも麦のように自分の希望とちがう就職を経て一旦変節した。その後一念発起してアー写の大御所に弟子入りするもブラックな勤務形態に削られ、最終的にはニッチなジャンルのカメラマンに落ち着いた

*3:いけてるスニーカーをはいてる人を好きになりがちだった

*4:顔も似てる。今は結婚&出産して幸せにくらしている

*5:結婚前提でつきあっていたがフラれた。「俺の地元に住めないだろ?」と言われたことがある。