リリイ・シュシュのすべて

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14歳のリアル

監督・脚本:岩井俊二
音楽:小林武史

   
うわー。これは評しづらい。観るひとによって感想も捉え方も全然違うと思う。基本的に嫌なことは忘れるタイプだし、自分は特殊な環境下に置かれた恵まれた14才だったと思ってる。けれど、やっぱりこの映画から伝わるやりきれなさ・焦燥感ってゆうものは、14才の時、誰しも感じていたものだし、ちょうど私くらいの年齢の人がある程度見直し、整理し終えた感情だと思う。不安定で自意識過剰だったなぁ、自分も周りも。

個人的には星野役の忍成修吾がすごく好きで、彼を観てるとほんとうにハラハラしてしまった。だから1番泣いたのは久野(伊藤歩)がレイプされちゃうとこ。「少年期の憧憬」の象徴みたいな久野さんが汚されちゃうことで、あぁもう本当に星野は後戻りができないと思って泣いた。伊藤歩が「毅然とした、永遠に自分の手に入らない存在」感を上手く出してて、余計に悲しかった。だから星野が刺された時は、驚くほどほっとした。

愛がない時は観ないほうがいいかも。愛が足りない。愛が欲しくなる。


★★★