姑獲鳥の夏

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女は妊娠20ヶ月。いったい何を身ごもったのか―。
あなたの憑物(つきもの)、落とします。
この世には不思議なことなど何もないのだよ

監督:実相寺昭雄
脚本:猪爪慎一
原作:京極夏彦
音楽:池辺晋一郎


(ネタバレします)
いや〜、すごい危険視はしていったんですけどね〜。コレ原作読んでないひとに伝わるんですかね??最初に京極の世界観を理解させるのってすごく大事だと思うのだけど、それが図とか一切利用されずに堤真一の長セリフだけで語られるのってあまりに不親切ではないかしら?原作を読んでいる私も補完した方がいい情報が多すぎて、いっぱいいっぱいでした。とりあえず観終わったら原作を読み直したくなる。

あともっと上映時間使っていいし、R指定もしていいから(どうせ子供向けじゃないんだし)、久遠寺の女の業をもっと生々しく描かないと、根本の部分で、この作品は成立しないんじゃないかなあと思いました。「姑獲鳥の夏」の中で、久遠寺梗子の出産シーンと涼子の強姦エピソードはかなり重要な見せ場なはずなのに、普通に牧朗が転がっていたり、エピソード自体が端折られていたりで、びっくりしました。

枝葉の部分では、火サスっぽい照明の中で舞う姑獲鳥、短すぎる眩暈坂、重みのない赤ちゃん等、にやにやが止まらない部分はたくさんあります。豪華キャストはがんばっていたと思うのですが…泣ける!

よかったのはカメラワークかな?映像酔い必至のsummer madnessな感じが作品の雰囲気と合っていたと思います。あと京極堂の黒猫がちょーかわゆい。