パンズ・ラビリンス


だから少女は幻想の園で、永遠の幸せを探した。
フランコ圧政下のスペイン。対ゲリラ戦中の大尉である義父に呼び寄せられて、やってきた母子。少女オフェリアは迷宮の守護神パンに出会い、自分が本当は魔法の国のプリンセスで、3つの試練を乗り越えれば王国に戻れると告げられる。おとぎの国サイドのお話とリアルワールドのお話が、時にリンクしながら展開するダーク・ファンタジー
第79回アカデミー撮影賞

原題:PAN'S LABYRINTH
監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
製作:アルフォンソ・キュアロン
音楽:ハビエル・ナバレテ


いやー、すげえね。映画館を出て深いためいきをひとつ。暗黒でおなかがいっぱいになりました。なんというか希望という希望に釘をさされたかんじでした。いろんなモチーフが何重にも重ねて描かれているのですが、そのどれもに畏怖と絶望の香りがするのが本当にこわかったです。

この映画はやったらこわいか痛いかの描写が多くて、口にタオルを当てる女性や、体がビクッてこわばっている人の姿が目立ちました。この監督、絶対ドMだろう。てか観ている間もこのひとの家庭環境や性的嗜好についての思考が頭を離れませんでした。なんかオフェリアの描き方が妙にエロかったりね。思春期の女の子特有のギリギリの空気感というのがモチーフの1つになっているからにしても。スカートのひるがえりが犯罪的だったりとか、ものすごく小悪魔的な表情を差してみたりとか、試練をこなす過程できもちわるい虫をこれでもかってくらい体にはわせてみたり。オフェリアを導いてくれる妖精も形状・虫だし。。。

話はもっとうすっぺらですが、「ザ・セル」を観たときと同じような気分になりました。


★★★