マイ・ブルーベリー・ナイツ

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ニューヨークから5,603マイル、
あなたのブルーベリー・ パイが恋しい。
失恋の痛手に苦しむエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、毎晩ブルーベリーパイを食べさせてくれるカフェオーナーのジェレミージュード・ロウ)に惹かれはじめるが、ある日突然街を去る・・・。
ウォン・カーウァイ初の英語作品。

原題:MY BLUEBERRY NIGHTS
監督・脚本:ウォン・カーウァイ
脚本:ローレンス・ブロック
音楽:ライ・クーダー


実はウォン・カーウァイは流行ったころ、「ウォシャレ映画。ちょっ!」と舌打ちで観ていません。今回は予告で「久々にジュード・ロウがかっこいいんじゃ?うすらハゲとか気にならないんじゃ?」と思って、観ました。初カーウァイ。レイトにぴったりな、余韻が残る、ドリーミーな雰囲気映画でした。キスシーンの破壊力がはんぱなかったっす。

もっとエリザベスとジェレミーのラブ要素が強い映画かと思っていましたが、エリザベスの自分探し(しながら他者の人生の一幕に寄り添う)色が強い映画でした。各地を転々とするロードムービーで、その場所で出会った人々のエピソードが織り込まれるショートオムニバス的ムービー。

そこここに痛い愛が描かれております。独特の色彩感覚と泳ぐようなカメラワーク、スローモーションの多用が、せつなさをかもしながらも夢のよう。アップ多用に応える、顔ぢからのある俳優陣もよかったです。前述の2人に加えて、レイチェル・ワイズ、デイヴィッド・ストラザーン、ナタリー・ポートマン、。

気になったのは、やっぱり愛より自分が出てたところかなあ?ひとってそういうものかもしれないけど、相手に対する思いやりよりも、「自分」が勝ってしまうかんじが。例えばエリザベスが自分の居場所は知らせずに、旅先からジェレミーにハガキを出し続けるんだけど、それはすてきなエピソードだが、すごく一方的でもあるなと。(まぁ、そんな身勝手さに寄り添うかんじの映画でもあるんだけど)

気もそぞろ、あなたを探してるふりして いつだってわたしはわたしを探してた 夢おぼろ、誰かを探してるふりして 居場所がほしいのです 東京のジプシー 

G.Rinaさんの「東京(みやこ)のジプシー」の一節を思い出しました。


終わって「てか300日も待てないよ」と言ったら、友だちに「てかきみ、ある意味待ててるから」と言われて、がびーん!!


★★★