僕らのミライへ逆回転

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はっぴいえんどにリメイク中
アホな友だちのせいで、自分が留守をあずかったビデオ屋のVHSが全部イカれちゃった!こうなったら自分たちであんな名作こんな名作をリメイクして、貸し出してしまおうというお話。

原題:BE KIND REWIND
監督・脚本・製作:ミシェル・ゴンドリー
音楽:ジャン=ミシェル・ベルナール


ミシェル・ゴンドリー×ジャック・ブラック×モス・デフ。もうこの時点で期待がふくらみすぎてやばい状態でしたが、バッチリでした。なんとあったかい映画なんだー!どうもありがとう。

ミシェル・ゴンドリーにしてはシンプルというか、肩の力がぬけたかんじが非常に好感が持てました。ミシェル・ゴンドリーはわたしはやっぱりPVがすきで、映画という形式だとあまりに凝り凝りで自意識が鼻につくときもあり、『ブロック・パーティー』みたいないっそドキュメンタリー的なのの方が向くなあと思っていたので。

前半のくだらなさはキュートで脱力するし、リメイク映画のアイデアに笑いつつも、そのDIY精神にはミョ〜に感心してしまったりもします。後半の町の人々の一致団結ぶりには胸が熱くなり、ラストの『ニュー・シネマ・パラダイス』ばりの感動には落涙。

中盤でシガニー・ウィーバーが思わず「わたしは悪者ね」とつぶやくシークエンスがあるのですが、そのときの劇場全体にただようしょんぼり感といったら!完全にスクリーンの向こう側(町の人々)と一体化していて、「あー、もうこれは完全にヤラれた!だってこんなの味方になっちゃうもん。こんなのみんな好きになっちゃうもん」と半ギレするくらい愛が止まりませんでした。

ひとへの愛、地元への愛、古き良きものへの愛、映画への愛ーがぎゅっとつまったいい映画でした。

ちなみにモス・デフの役ははじめデイヴ・シャペルにオファーがいっていたらしいのですが、コメディー色の強いふたりよりは、モス・デフとの組み合わせでよかったんじゃないかな、と思います。


★★★★★