ミルク


「ミルク」は、希望のはじまりだった。
はじめて公職に就いたゲイ、ハーヴィー・ミルクの半生を描く
第81回アカデミー脚本賞/主演男優賞

原題:MILK
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ダスティン・ランス・ブラック
音楽:ダニー・エルフマン


正直期待しすぎた感が。ハズレモンを描かせたら天下一品、自身もゲイのガス・ヴァン・サントが!!と思っていたのですが、彼の作品群の中で特に惹かれる作品にはなりませんでした。

この作品でショーン・ペンがオスカーを獲ったけど、もっとドキュメンタリーに寄せて、無名の役者を起用した方がぐっときたんじゃないかなあ、と思ってしまいました。乱暴な言い方だけど、ハリウッド的なかんじとこのモチーフ、ひいてはガス・ヴァン・サントとの食い合わせが悪くて、中途半端なかんじがしました。なんだかガス・ヴァン・サントのよさが出ていないような気がして、もっと魅力的な人物を描き出しえた気がして、「あー惜しい。うまく言えないけどなんか惜しい」というきもちをぬぐいきれませんでした。

当時の映像のつかいかたとか、ミルクが政治に没頭していくにつれ、こぼれおちていくものの不穏なかんじとか、「あっ」と思うところはあっただけに残念でした。
あと、ミルクがもののわかったチャーミングな恋人と別れたあと、「政治のはなしを一切しない」おバカな乙女男子とつきあうところがちょっとおもしろかった。仲間からの評判とかもわるくて、ちょっとうざいっていうリアルさ。はやく元さやに・・・!と思ってやきもきしちゃったけど。


★★★