サンシャイン・クリーニング

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つらいこともあるけれど、一緒にいれば 悲しみも洗い流せる。
チアリーダーで学園のアイドル、今はシングルマザーの姉・ローズ。無職で実家暮らしの妹・ノラ。のっぴきならない事情から、お金欲しさに事件現場のクリーニングの仕事を始めるが・・・というお話。
リトル・ミス・サンシャイン』のスタッフpresents.

原題:SUNSHINE CLEANING
監督:クリスティン・ジェフズ
脚本:ミーガン・ホリー


まじめなおねえちゃんと、アウトサイダーの妹という姉妹関係は
『レイチェルの結婚』を思い出させます。てか世の姉妹ってそういうものなの??

家族・仕事・恋愛―いろいろあるけど、とにかくもうこころが折れるエピソードがてんこもり。わたしはかるく5、6回は折れました。
だって恋愛ひとつとっても、まず華やかなりし学生時代の元恋人と不倫してるんだよ!うあーキツイ。モーテルでまちぼうけくらって、伝言が届いてないか確認しちゃうとか、「彼のおくさん、2人目妊娠したわよ」って妹から聞かされるとか、そのおくさんから「昔は輝いてたけど、今はカスね」よばわりされるとか。思わず天井をみあげて、「I'm fuckin' loser」と吐きすてるローズ。ノーノーノーギブギブギブ状態。

でもローズさんはへこたれない。へこたれてるヒマなんかないし、基本的にずっと前を向いている。クールでタフなローズさん。そら諸手をあげて応援しちゃいます。リアルに考えると相当しんどい状況だけど、ウェットにならずに軽やかにユーモアを含んで描いているかんじに好感持てました。

あとこころが折れるエピソードと並行して、ささやかだけどものすごくうつくしいシーンが多くて、みとれる。高架下に散る火花。天国につながってる無線機。お葬式にまつわる思い出。特注のタトゥーシール。電話でつながりながら観る、古いテレビ映画のワンシーン。ローズが「最高にすばらしい1日」と評する1日があって、泣けちゃうくらいのつつましやかさなんだけど、ーでもたしかにある奇跡にぐっときました。この映画はもうちょい上映館が多くてもいいと思う。

主演のエイミー・アダムスは、ニコール・キッドマンに似てるなーと思いました。べっぴんさん。


★★★★