鏡の中は、わがままな願望でいっぱい
この迷宮から、大切なひとを救えるのか？
こりない男・Dr.パルナサスVS悪魔（トム・ウェイツ！)。人々の願望が映し出されるDr.パルナサスの幻想館の内で外で、トムとジェリー並にアツイ戦いをくりひろげます。
原題：THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS
監督・脚本：テリー・ギリアム
脚本：チャールズ・マッケオン
音楽：ジェフ・ダナ / マイケル・ダナ
期待してなかったんだけど、おもしろかったです。シュールでキッチュなギリアムワールド炸裂。キャストの顔力をはじめ、ギリアム好み全開のビジュアルづくり。躁な悪夢、健在です。なんとなく武の「監督・ばんざい！」を思い出しちゃいました。わたしはとくにギリアムファンってわけでもないんだけど、このひとの作品はなんだかにくめなくて、くすくす笑っちゃう。
ヒース・レジャーの遺作となったこの作品ですが、やっぱりヒースが最高すぎる。舞台的なギリアム演出にそのからだが栄えること栄えること。やっぱりいい役者だなあ、とこころの底から惜しみました。
今、生きて動いているヒースを観るということがすでに「夢」なので、この作品の世界観とあいまってくらくら。くわえて、現実世界を故ヒースが演じ、幻想の中のヒースを健在の3人の俳優が演じるというねじれがよけいに奇妙でこころに残る。
★★★★
