ラブリーボーン

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これは、私が天国に行ってからのお話。
14才で殺されてしまったスージーが、あの世とこの世の中間の地から家族を見守るというお話。

原題:THE LOVELY BONES
監督・製作・脚本:ピーター・ジャクソン
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ
撮影:アンドリュー・レスニー
原作:アリス・シーボル
音楽:ブライアン・イーノ


まず原作の設定自体がぐっとくる。不意にだいじなだれかをうしなってしまった経験のあるひとならだれもが思い描かずにはいられない世界観。この設定のおかげで正直期待のほうが勝ってしまったけど、それでも涙が止まらなかった。

映画自体は決してよくできた作品とは言えないけれど、やっぱりPJにはふしぎな引力がある。もう好みの問題としか言いようがないんだけど。天国のビジュアルが意外と弱かったり、家族の描写が浅かったりする一方で、過剰なまでに犯人描写がアツく、おかげで相当こわかった。(ドールハウスごしに執拗に警官と目を合わせていく犯人の描写とかアツすぎて笑う!)そのへんのアンバランスさがよくもわるくもPJっぽい。

あとは、スージーを演じたシアーシャ・ローナンがまさに「この世のものとは思えない」かわいさ。もろにPJ好みのビジュアル。とくに彼女が奇跡を起こす2つのシーンは白眉で、「ここがよければいっか!」ってツボ押さえられた感も。父親と薔薇でつながるシーンと最後の選択のシーン。スージーが中間の地でさびしい思い・せつない思い・こわい思いをのりこえたあと、描かれる「この世でやりのこしたこと」の描写がキュートすぎる。そのために彼女はひとつ犠牲を払うのだけど、その選択が逆にあかるくてよかった。


★★★