NINE

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世界は、男と女と愛でできている。
スランプ中の天才映画監督グイド。新作の産みに苦しむ彼の前に登場する、縁のふかい7人の女たち。彼の現実と幻想のなかにいれかわりたちかわり現れては消えていく。
イタリアノ!!!

原題:NINE
監督・製作・振付:ロブ・マーシャル(『シカゴ』)
製作・振付:ジョン・デルーカ
脚本:アンソニー・ミンゲラ (『イングリッシュ・ペイシェント』)
撮影:ディオン・ビーブ
作詞・作曲:モーリー・イェストン


ナイスバディの美女たちがてんこもりで歌い踊る景気のいい映画かと思って、観にいったのですが、ちがくてびっくりしたー。ほんとにびっくりしたよー。身につまされるというか。。。心当たりがありすぎるというか。。。「おおぅ・・・」と頭を抱えつつも、途中からもう笑えてきたよ。おもしろかったです。

まず、ダニエル・デイ=ルイス演じるグイドーに似ている男のひとたちを思い当たりすぎる。アレもコレも欲しいかんじ(なにしろ「宇宙をひざまずかせたい」とか「なんでからだがひとつしかないのか」とか朗々と歌いやがる)とか、夢&自分追い人すぎるとことか、ジョークでひとをけむにまきつつ、その実ハンパないプレッシャーと戦ってるとことか、そのプレッシャーから女に逃げるとことか、調子がよくてにくめないんだけど、周りの女を極限までガマンさせちゃうかんじとかとかとか。しょうもない!なにしろ齢50にして、いまだこころのなかには9歳の自分が走りまわっているのです。

んで、そんなグイドを愛し支える女たちのほうはと言うと、これまたくせものぞろいで、それぞれ武器がちがうんで、勉強になる。てかひとりの男にいい女7人がかりってどんだけだよ、まったくもう!ラムのラブソングか!!

7人の女たちの持ち歌も、それぞれ雰囲気とかメッセージがちがくておもしろい。わたしはCMの「CINEMA ITALIANO」のキュートなダンスに「わあ!」と思って観にいったクチで、この女が本命かと思っていたのですが、この女はVOGUEの記者で、ただのグイドファン。ワンナイトラブアフェアを過ちかけるっていう最もポップな位置にいて、笑った。


そしてNINEを観た夜、わたしの周りで最もグイドに似ている男子から電話がかかってきてまた笑う。どんな嗅覚!?


★★★★