アウトレイジ

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全員悪人
バック・トゥ・ザ・ヤクザ映画!

監督・脚本・編集:北野武
撮影:柳島克己
編集:太田義則
音楽:鈴木慶一


もちろん初日に観にいきました。ドラちゃん(妹)と。北野新作にはどんな作品でも金を払う。それが我ら姉妹の血の誓い。客層は圧倒的に高年齢層。墨がっつりのホンモノのかたがたもちらほら。おじいさんたちからそこはかとなくただよう競馬・パチスロ・麻雀のかおり。錦糸町という場所柄かしらん。

さてさておもしろかったです。北野武は「観客に『あれ? どうなってんだ?』て思わせるのが、今回の映画の狙い」と語っており、わたしもなんとなく先がよめないどんでん返し映画なのかなーと思って観にいったのですが、ちがかった。
もう死亡フラグのつるべうち!さらに執拗なこのやろうばかやろうの応酬。この2点にアゲられてげらげら。武はまず死にざまを考えてからストーリーを組んでいったそうですが、まさに死にざまハイにいざなわれました。ゆかい。

でもただの娯楽映画になりきらないのは、腕のたつ役者陣のおかげかと。ストーリーに緊迫感はない(むしろちょっとまぬけ)なのに、演技合戦のスリリングさが画面をぎゅっとしめていたと思います。ちょっとでも力量足りないひとが入ったら、映画全体がこわれてしまうものすごいバランスだなーと思いました。とくに三浦友和すばらしかった。

ただ個人的には北野武のフィルモグラフィのなかでとくにすきな作品というわけではないかも。自省3部作もわたしはそれなりに気に入っているので。今回排された、北野映画における叙情性とか独特の間をわたしはかなり愛していたりするのです。今回椎名桔平のちょう見せ場シーンで、効果的なロングショットがはさまれるのですが、やはりぐっときてしまいました。


★★★