借りぐらしのアリエッティ

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人間に見られてはいけない。
祖母の家に療養にやってきた男の子と床下に住む小人の少女が出会うおはなし。

監督:米林宏昌
企画:宮崎駿
原作:メアリー・ノートン床下の小人たち
主題歌:セシル・コルベル


うちのおかんに「つまんない」と一蹴されたポニョであったが、これならジブリにもまだまだ希望がもてるんじゃないでしょうか?角砂糖とティッシュペーパーを「狩り」にいくのが一大アドベンチャーになってしまうなんて。わくわく!久々の正統派ヒロインだし、女の子が喜びそう。

しかし「神はディテールに宿る」映画なだけに、ノイズがかなり気になったのも事実。

  • 「借り」の概念があいまい
  • 翔くんの家庭の事情説明
  • 翔くんの「絶滅」トークのくだり
  • アリエッティ家族のいびつさ(おかあさん、おばあちゃんにしか見えない)
  • お手伝いハルさんの悪意


などなど。
全体がぐっとおさえられて繊細な作品になっているのに、ノイズ部分に関しては、描きかたがうるさかったり雑だったりで、ちょっと暴力的なかんじにびっくりしてしまった。

それでも鈴木プロデューサーが「せつない映画、ちょっと寂しい映画を目指した」と言っているように、観たあとはちゃんとそういうきもちに落ちてしまうので、舌打ち。
背筋をぴんと伸ばして世界とむきあう、あまりにもちいさなアリエッティの姿をみるとこの季節のかんじとあいまって、ただごとじゃないせつなさと郷愁感におそわれる。