メアリー&マックス

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ある日、しあわせの手紙がやってきた―
ニューヨークに住むアスペルガー症候群で肥満体の中年男性マックスと、メルボルンで暮らす孤独な少女メアリー。彼らが20年間に渡る文通を通して育んだ奇妙な友情を描く。

原題:MARY & MAX
監督・脚本:アダム・エリオット
撮影:ジェラルド・トンプソン
編集:ビリー・マーフィー
音楽:デイル・コーネリアス
Based on a True Story.


なんだかすごく胸がすうすうした作品でした。なにかから逃げているんじゃないか、だいじなことを落としているんじゃないか、という。奇妙な友情の結末にはたしかに息をのむし、涙するんだけど。。。こういうかたちの友情もすてきだと思うんだけど。。。どこか腑に落ちない。

例えば、作中何度か示される「親は選べないけど、友だちは選べる」とか「人間は誰しも不完全」というメッセージ、この2人の主人公を「不器用であたたかい」とか「不格好だけど愛おしい」とする表現を、わたしは素直には受け取れなかったです。自分の「友情」の扱いかたや「友人」への向き合いかたと根本的にちがうっていう点はさしおいても、生い立ちや病気にコーティングされた2人の問題から目をそらせなかった。

「結局わたしはこの2人を友だちに選ばないんじゃないか」と思ってしまったことに、妙な罪悪感を抱いてしまった作品でした。それなりに感動したしよかったと思うんだけど、なんか後に残ったのはこんな感触だったなあ。狭量でごめん。


★★