逃げろ!!逃げろ!!逃げろ!!
極限状態に置かれた人間と 自然の壮大な格闘劇
アフガニスタンで米兵を殺害したアラブ人兵士ムハマンドは、護送車のアクシデントにまぎれて脱走!一面の銀世界のなか、ただひたすらにサーヴァイブ…ッッッ!!!
2010年ヴェネツィア国際映画祭 銀獅子審査員特別賞
原題:ESSENTIAL KILLING
監督・脚本・製作:イエジー・スコリモフスキ
脚本・製作:エヴァ・ピャスコフスカ
撮影:アダム・シコラ
編集:レーカ・レムヘニュイ
音楽:パヴェウ・ミキーティン
83分間セリフなしの超タイトな大興奮作。おもしろかったー。タイトルからもっと切羽詰まって逡巡しながら殺す→苦悩するみたいなかんじを想像していたけれど、ちがう。ただそこにいたものあったものを、いきあたりばったりで殺す/奪うっていうのが、なるほどエッセンシャル・キリングでおもしろかったです。ただひたすら生存本能と望郷の念だけで走るムハンマド。彼のバックグラウンドが全然説明されないのもよかった。
- MAZO飯、MAZOランのつるべ打ちに、震えました。あそび飯、あそびラン サイコー!
- ムハンマドくんはおののいていたけれど、ボーダーコリーの大群にたかられる、っていう天国みたいな画があった。
- 逆にムハンマドの畜生が犬ちゃんを殺すという、憤懣やるかたないシーンもある。極刑に処して然るべき。(だけどあまりにあんまりなムハンマドの野郎に対し、怒りがうまく保てない。)
- ムハンマドのばかが寝オチしそうになると、天使のようなボーダーコリーが起こしてくれる。
- わんわんお!
- タイトな色彩感覚。
- 5回くらい「ちょwww」ってなったのとは裏腹に、ラストの余韻は趣深い。
- これから走るときは、いつも心にヴィンセント・ギャロ!
深読みしようと思えばいくらでもできそうだけど、深読みしなくても全然おもしろい作品でした。
★★★