戦火の馬

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「前を向いて、走り続けるんだ…」
農村に住む少年アルバートが手塩にかけて育て、苦楽を共にした愛馬ジョーイが軍馬として売られ、フランスの戦地に送られてしまう。戦地を転々とするジョーイと、追って戦地に身を投じるアルバート。ジョーイをめぐるさまざまな人間模様、ジョーイとアルバートの絆を描く。

原題:WAR HORSE
監督・製作:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:リー・ホール / リチャード・カーティス
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
原作:マイケル・モーパーゴ『War horse』


予告観てもまったく気乗りせず、ただただスピルバーグへの信頼だけで観に行ったのですが、間違いねえ…。映画としてちょういびつだし、人外へのこころの寄せかたがキてるし、つまりちょうスピルバーグなんだけど、・・・号泣メーン!「これぞ映画!!!」という興奮をもらったし、うっかり感動したり、勇気づけられたりしてねえ。まぁスピルバーグに映画的に洗脳されてる世代だからかもしれないけど、「映画らしい映画、ひさしぶりに観たわ〜」って満足感あったなあ。

基本的にジョーイと関わるひとは全員、戦争の愚かさ・悲惨さの犠牲者になるというつらい悲劇でありながら、そのかれらの善きひと描写やチャーミングなエピソードの配置が、匠の塩梅。

あとやはり余白や余韻のとり方、想像力の喚起のさせ方、力の抜き差し、めりはりのある演出で、2時間半を魅せきる手腕たるや。引きで撮った"馬が死屍累累"の画とか、羽根車がよぎるなかでの射殺シーンとか、それだけでものすごく説得力あったし、鳥肌たった。

ラストがタイトだったらすごくすきな映画だったけど、個人的には涙がひっこんだくらいラストが残念。感傷に流れすぎてるし、きれいな円環構造で閉じるにあたって、出てくるべきキャストがちがったような気がしてならない。

とはいえ、圧倒される場面が多々ある、すばらしい映画でした。動物映画っていうと、ついつい愛犬を重ねあわせちゃうんだけど、今回は馬のあまりの神々しさに、そんな隙なかったな。ジョーイの友情とか男気もジャンプ魂体現しまくってて激アツなんで、次回はそっち目線で愛犬とフュージョンさせたいです。でもあのこ甘っタレだからりーむー?


★★★★