サニー 永遠の仲間たち

f:id:tally:20120417144911j:plain


人生で一番輝いていた日々が また、やってきた
42才・専業主婦のナミは偶然高校時代の親友チュナと再会するが、25年ぶりに再会したチュナはガンに侵され、余命2か月と宣告されていた。チュナの最後の願いを叶えるため、ナミはかつての仲間「サニー」のメンバーを集めようと奔走する。

英題:SUNNY
監督・脚本:カン・ヒョンチョル
撮影:イ・ヒョンドク
音楽:キム・ジュンソク


何から何までベタなのに、笑えて泣けるのなんで。一昔前の少女漫画的たたずまいといい、洋楽大ネタ使いといい、ほとんど反則モノの芸当。正直、センスは好みとはちがうんだけど、もうそんなの飛びこえて、キャラクターたちがいきいきと胸にせまってくる。7人ものキャラクターの過去と現在をカットバックで描いて見せる手腕が、ほんとうに鮮やかでした。

わたしの大好物なキラキラ青春甘酢感の効かせかたもよかったなー。おとなになれば、たのしいことやできること、開き直れることが増えて、いい意味で小賢しく世を渡れるようになるけど、それでもあの若さが切らせる無謀な空手形のまぶしさたるや!「あの頃はよかった」という青春礼賛に陥らないビターさも兼ね備えつつの、おとなになったからこそわかる青春のいとおしさよ。『この空の花』にもちょっと通じるけど、個人的に『おもひでぽろぽろ』的なテーマがいまアツくて、そこらへんにもバシーーーンと突き刺さりました。

女の友情はもっと複雑だったり、女の子グループがバラエティ豊かになりづらいことを考えても、もちろんこの映画はファンタジーにはちがいないんだけど、「少女漫画」と「部活魂」が盛んな日本ではより受け入れられやすいのかも、などと思いました。そのへんのアツさは皆無のわたくしで、なおかつ7人の誰に共感するってわけでもないんだけど、自分の中での「サニー」的メンバーなら思い浮かぶし、問題なく同窓会等にも行けるクチなのもあって、気にせず楽しめました。ふつうにiTMSでSunny買っちゃったし、自分も友だちの苦境をばばーんと解決できるくらい金稼げたらなーと思っちゃったよ。



★★★★