黄金を抱いて翔べ

札束より欲しいもの、おまえにはあるか？
銀行地下金庫からの金塊強奪に挑む男たちと計画の思わぬ行方を描く。
メンバーは発起人・北川（浅野忠信）、裏社会の調達屋・幸田（妻夫木聡）、SE・野田（桐谷健太）、北川の弟・春樹（溝端淳平）、爆破のプロでスパイ・モモ（チャンミン）、元エレベーター技師のジイちゃん（西田敏行）。

監督・脚本：井筒和幸
脚本：吉田康弘
撮影：木村信也
編集：冨田伸子
音楽：平沢敦士
主題歌：安室奈美恵『Damage』
原作：高村薫『黄金を抱いて翔べ』（第3回日本推理サスペンス大賞）

ドラちゃん（妹）から推されて、急いで観に行ってきたんだけど、いやー、おもしろかった！近頃めずらしい、骨太の「男の男による男のための」邦画。井筒版『GONIN』！！

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あと事態がジェットコースター式に転がっていくところや、ラストの乾いた寂寥感なんかは、まちがいなく『ヒーローショー』とも地続きだし、『哀しき獣』なんかも思い出しました。

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「このひとってこんなに良い役者だったっけか？」と思わされる井筒マジックが、今作でも炸裂。登場人物同士の関係性の変化や、前半から後半で役割（ex.物語の推進役、場を緩める役）をスイッチさせるなど、登場人物の処理もお見事。

また浅野忠信が妻夫木に「俺がおまえを簡単に手放すと思うなよ」的なパンチラインを吐くなど、随所にみられるゲイゲイしいかおりがたまらない。またそれとは別に、浅野忠信の役が元カレの兄ちゃんそっくりで、いろいろと胸がつまりました。（ジャイアンって呼んでたしな…）

欲を言えば、中盤〜後半はもうちょっとタイトにできた気もするけど、まぁいいやね。完全に北野武派の我ら姉妹ですが、正直『アウトレイジ２』より出来が良かったなー。
キャッキャ言いながら観てたら、客電点いたあと、となりのおっちゃんに「おねえさん、いい観客だね」と言われ、危うく酒しに行きそうになった。

★★★★