世界にひとつのプレイブック


少しイカれた君が、なぜか希望の光。
愛も仕事も失い、メンタルに大ダメージを負い、社会不適合街道まっしぐらの男女が再生していく姿を描く。
ブラッドリー・クーパージェニファー・ローレンス主演。
第85回アカデミー主演女優賞

原題:SILVER LININGS PLAYBOOK
監督・脚本:デヴィッド・O・ラッセル(『ザ・ファイター』)
撮影:マサノブ・タカヤナギ
編集:ジェイ・キャシディ / クリスピン・ストラザーズ
音楽:ダニー・エルフマン
原作:マシュー・クイック『SILVER LININGS PLAYBOOK(世界にひとつのプレイブック)』


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自分の〈ロマンティックコメディ映画史〉でも五指に入る勢いの大傑作だった。

と言っていたので、たぶん自分には間違いなく刺さると思っていましたが・・・。

ウオー!ちょうすばらしい ちょう最高!!予想以上にドツボな泣き笑い映画でした。どんだけロマンティックくれるんだよ!!!ラスト思わず拍手しそうになっちゃったし、わたしもいっしょに観に行った子も鼻まっかでした。今年暫定No.1!

まず、けっこう早い段階からわたしはボロボロ泣いてしまって。主演の2人のダメさが身に染みすぎる。しかもただダメなだけじゃない、がんばってるのにダメ。がんばる方向もまちがってるし、がんばり方も問題だらけだけど、とにかく一生懸命もがいててダメ。
ジェニファー・ローレンス演じるティファニーが、夫の死について「誰が悪かったの?」とつぶやくシーンは涙なしには観られない。『TED』は笑えたけど、刺さらなかったのはやっぱりこの「がんばり」がなかったからじゃないかと思いました。

前半は、痛々しくて笑えないのと、それでもつい笑ってしまうギリギリの線を進んでいくのが印象的。劇場内も笑いと泣きのポイントに個人差があって、なんとなく『苦役列車』の感じを思い出したりも。
後半、だんだん光の射す方が見えてきて、危なっかしくも見事にテイクオフをキメる様子は、『ワンダーラスト』の昂揚感を思い出したり、反転した追いかけっこか〜ら〜の〜最高にスイート&ロマンティックなクライマックスは、『花とアリス』を思い出したりも。

とにかくキャラクターが良かったなあ。全員クレイジーだし、周りにいたら問題人物なんだけど、みんな好きになってしまった。基本仏頂面なはずなのに、すごく表情豊かに感じさせるジェニファー・ローレンスのキュートさったら!どんどんかわいく見えてくる!*1『アニマル・キングダム』とは全然ちがうけどジャッキー・ウィーヴァー演じる食えないお母さんや、この映画全体をぐっとしめてがっと持ち上げていたロバート・デ・ニーロ演じるお父さんも最高。ぜひたくさんのひとに観てほしいです。



音楽も最高だよ!


★★★★★

*1:ティファニーのキャラクター造形は『レイチェルの結婚』のキムを思い出したりしました。