2154年、人類はスペースコロニー「エリジウム」に暮らす富裕層と、荒廃した地球に取り残された貧困層とに二分されていた。事故により余命5日と宣告されたマックスは、エリジウム潜入に挑むが…というお話。
原題:ELYSIUM
監督・脚本:ニール・ブロムカンプ(『第9地区』)
撮影:トレント・オパロック
編集:ジュリアン・クラーク / リー・スミス
音楽:ライアン・エイモン
ウオーーー!ストロングスタイル!!正直SFサスペンスとしてはかなり設定が甘いけど、豪腕で振り切った感ある109分。文句無しにおもしろかった!
なにしろ『第9地区』から通底するファックバビロン精神があつすぎる。そこここに散りばめられたタトゥー、グラフィティ、ベースミュージック。躍動するクレオール性。*1
ニール・ブロムカンプの作品を観ると、「第三世界からしたら、日本も立派にバビロン側だよな……」と頬をぴしゃりと張られたような気持ちになる。
大学時代アフリカ専攻だったもので、支援の方法について頭を痛めた経験がどうしても思い出されたのですが、ラスト、エリジウムから地球に遣わされる回答のシンプルさとおそろしさにはひるみました。なんたる豪胆さ。この監督じゃなきゃできない力技だと思う。
あとは、非常に個人的な動機からはじまったことが、本人の意図を超えて大きく尊い結果を成す、という話がすきなので、そのへんもぐっときました。
ERAさんの「MOON LIFE」思い出す帰り道。
トータル・リコールの ようだ
★★★★
*1:友だちが教えてくれたMS-13の記事 http://www.vice.com/jp/read/Maras-v4n1