悪の法則


罪を、選んだ。
リア充弁護士が、裏社会のビジネスに手を染めたことから転落していくお話。

原題:THE COUNSELOR
監督:リドリー・スコット
脚本:コーマック・マッカーシー (『ノーカントリー』原作)
撮影:ダリウス・ウォルスキー
編集:ピエトロ・スカリア
音楽:ダニエル・ペンバートン


あんまり賛辞が聞こえてこなかったのですが、「コーマック・マッカーシーだぞ!つまらないわけないだろー」と思い。結果、予想以上にすきなタイプの映画でした。
悪人の出し抜き合いによる王座決定戦映画かと思いきや、本筋は別のところに。ひとの人生が、決定的に「取り返しがつかなくなる」ポイントを魅せる―かつ、そのポイントのずっと前に運命は決まっていた、ということを思い知らされる物語。腹の括り方 / 覚悟の決め方が、はなから勝負を分けているという物語。人生とはかくもブルータルなもの哉。そんな話をこんな華やかなキャストで見せられたらねえ……!

例えば、恋愛なんかもそうだけど、別れのきっかけになる「インパクト」や「分岐点」というものは確かに存在するんだけど、それ以前に、根本的な破綻要因ってはじめからずーっと存在し続けてる、という怖さ。

ささやかな善意が世界を救うような話も、ふとした出来心が地獄な破滅を招くような話も、どっちもたまらなく好きだなー、と思いました。

あと、せりふがいちいちかっこよかったなー。英語のポテンシャル感じた。訳は全然悪くないんだけど、表現のクールさ・洗練度に日本語では追いつけない感じ。

本編では使われてないけど、予告編のこの曲もアツい。


★★★★