エール!

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届け!心のまんなかに。
聴覚障害を持つ家族の中で生まれ育った健聴者の少女ポーラ・べリエは、歌の才能を認められ、パリの音楽学校のオーディションを勧められるが……。
フランス製ヒューマンドラマ。

英題:THE BELIER FAMILY
監督:エリック・ラルティゴ


聴覚障害の家族の中で一人だけ聴こえる娘という重くじっとりしそうな題材を限りなく軽やかにからりと描いていてとても楽しかったです。全編にちりばめられた笑いや、どこまでもエモーショナルで雄弁な手話、ウェス・アンダーソン的奇妙かつキュートでほどよく勝手な家族、ちょっとぽっちゃりだけど表情と歌声が抜群に魅力的なヒロイン、と光る駒がそろった佳作。きれいに笑い→泣きに引っぱられた、劇場内の一体感もよかったです。


とくに感心したのは、学校の発表会でのプールの底で聴いているような演出で、その才能が最も理解したい/されたい人に伝わることがない悲しさを見せておいてからの、音楽学校のオーディションでの圧巻のパフォーマンス。その伝播力・卑怯すぎる選曲に涙腺崩壊。コーラスの選曲は日本で置き換えるとどのあたりの歌謡曲になるのかなー、そんなのがわかったらもっと楽しそうだなー、などと思いました。


★★★★