ブリッジ・オブ・スパイ


その橋を踏み外せば世界が終わる。
冷たい戦争を止めたのは、ひとりの男のやさしさだった。
第88回アカデミー助演男優賞

米ソ冷戦のさなか、保険関連の敏腕弁護士ドノヴァンは、ソ連のスパイであるアベルの弁護を引き受ける。アベルの生き方に心を寄せたドノヴァンのがんばりにより、アベルは死刑を免れ懲役刑となる。5年後、アメリカの偵察機パイロット・パワーズが捕獲され、ドノヴァンは、アベルパワーズの交換という大役を任されるが……。

原題:BRIDGE OF SPIES
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:マット・シャルマン / イーサン・コーエン / ジョエル・コーエン
撮影監督:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
プロダクションデザイナー:アダム・ストックハウゼン
衣装デザイナー:カシア・ワリッカ=メイモン
音楽:トーマス・ニューマン
Based on a True Story.


新年1発目はスピルバーグしかないっしょ!今死んだら最も悲しい映画人はトムとスピです!!

ここのところ、長尺の歴史ドラマが多いスピルバーグ。「戦火の馬」(146分/2011年)、「リンカーン」(150分/2012年)
ときて、今回も142分。イーストウッドと同じく「アメリカとは」というところにどんどん興味が集約されてきているような気がします。

予告で強調されているような家族愛を謳った作品ではなく、「信念」についての映画。「待つ」ことで勝負する映画。地味だけど、やっぱり飽きないし、おもしろいんだよなあ。

打たれても打たれても立ち上がってくる“Standing Man”の話や、ベルリンの壁を越えようとして射殺される人たちと、柵を自由に越えていくアメリカの子どもたちを対比させる手法なんかはベタだけど、映画として端正だなあと。
あと判事邸やら作戦部屋やら東独やらそこここでハードリカーを酌み交わす描写が多くてよかった。

アベル役のマーク・ライランスがなんともいい味を出しており、「何者?」と思って調べたら、スピの次回作にも出演するらしいです。さすがです。


★★★★