あの人、お父さんじゃありません。
全然知らない人です。
未解決の一家失踪事件×奇妙な隣人家族―
犯罪心理学者が迷い込んだ2つの≪謎≫
監督・脚本:黒沢清
脚本:池田千尋
撮影:芦澤明子
編集:高橋幸一
美術:安宅紀史
音楽:羽深由理
原作:前川裕『クリーピー』
うひー!タイトル通りに「身の毛がよだつ」んだけど、めちゃくちゃにおもしろかった!!胸がすくような胸クソ悪さ!!!香川照之の「まだまだいくぞ〜」には、ふしぎな昂揚感すら感じてしまいました。
登場人物が全員サイコパスに思えてくる百花繚乱ぶり*1は、コミュニケーションというものがいかに「人をわかったつもりになる」という幻想に依っているかに気づかされて、足元がおぼつかなくなる。
以下、ゾッとしたポイント。
サイコスリラーという意味では、『CURE』を思い出すけれど、こちらは「動」「躁」の要素が強くて、ふしぎな活気とスピード感がある。もはやコント的ですらあって笑ってしまう部分も。*2
終映後、西島ファンとみられる女子3人組が茫然自失状態だったのが、さもありなんで良かったです。
追記:
伝わらない香川照之のモノマネをやめない妻と円満に暮らしていくため、夫も鑑賞。わたし2回目。2回観ると、実は竹内結子に対する西島秀俊の返答は香川照之以上にちぐはぐだ、ということが迫ってきておもしろい。2回目は全然こわくなかったので、無数に施された「不穏」のしかけに相当な緊張を強いられていたことに気づかされた。半透明カーテンからは誰も出てこないし、犬は無事だ!
★★★★