ちはやふる

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強くなる―青春ぜんぶかけて
きみがくれた情熱 今、きみのために戦う

監督・脚本:小泉徳宏
撮影:柳田裕男
編集:穗垣順之助
美術:五辻圭
スタイリスト:新崎みのり
音楽 :横山克
主題歌: PerfumeFLASH
原作: 末次由紀ちはやふる


青春愛好家の友だちに推された後、気になりつつも観逃してしまい、ソワソワしていた作品が、1週間限定、目黒シネマで上下一気観できるだとーー!運悪く年度末〆の残務処理に追われた1週間だったのですが、最終日に意地のすべりこみ。無理して行ってよかった!

とにかく『上の句』最高かよ!「青春」「文化体育会系」「がんばれベアーズ型」という、個人的ロイヤルストレートフラッシュなキラッキラ要素が、すばらしいキャストによっていかんなく発揮されていて……。

主人公・千早の求心力はもちろんのこと、天才・新の無垢で静かな純粋さ、負け戦を戦いつづける太一のせつなさ、要所要所でそっと支えてくれる奏ちゃんの安定感、実力、ムードメイク共に縁の下の力持ちである肉まんくん、常勝校の良さの結晶・北央かるた部とドSの須藤、そしてみんなが全力で声援を送ってしまう机くん!わたしは原田先生になって、「なんとなく気づいていたよ」だの「全部懸けてから言いなさい」だの言いたーい!チームものって、サブとライバルが要だと思うので、これは文句なしだ、とほくほくしながら『下の句』へ。


ところが、『下の句』では、チームの絆というよりも、個人(それも天才たち)の葛藤と成長を描くことにシフトしており、正直わたしはこれにあんまり興味がない。『上の句』が一本で見事なまでに完結してしまっているので、『下の句』となると、こういう展開にならざるを得ないのはわかるのですが、成長する過程で、千早が瑞沢/北央かるた部をあまりにもないがしろにしているような気がして、「あぁ…、わたしが好きなのは瑞沢かるた部なんだ」と無いものねだりをしつづける心境。あまつさえ「千早のことあんまり好きじゃないかも…」とすら感じてしまう始末。

そんなわたしの心にぽっかり空いた穴を埋めにきてしまうのが、千早のライバル・最強のクイーンこと若宮詩暢なわけで。こっちを応援したくなってしまうんですよ。北島マヤより姫川亜弓だろ?的な。


とまぁ、かなしみを切々と訴えましたけども、『下の句』でも瑞沢のけなげさ/北央のあつさ描写のおいしみは健在だし、広瀬すずの体技や松岡茉優の存在感もすばらしいので、上下一気に観れて満足です。原作も読んでみたいなー。


★★★★