ダゲレオタイプの女

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愛が幻影を見せ、愛が悲劇を呼ぶ。
世界最古の撮影方法、ダゲレオタイプ
銀板に刻まれるのは永遠の命。

原題:LA FEMME DE LA PLAQUE ARGENTIQUE
監督・脚本:黒沢清
撮影:アレクシ・カヴィルシーヌ
編集:ヴェロニク・ランジュ
美術監督パスカル・コンシニ / セバスティアン・ダノス
衣装デザイナー:エリザベート・メユ
音楽:グレゴワール・エッツェル


もっと禍々しいものを見てしまう覚悟で凸ったので、若干拍子抜けしました。耽美ですの。
そして幻惑され錯乱していくのは常に男側なので、女であるわたしはこわくも感じなかった。(ホッ)
此岸と彼岸の境界があいまいになっていくゴシックな映像美に、黒沢清とフランスの幸せな邂逅を感じました。フランスでも 地下室!霧中の車!半透明カーテン!



ただ、ダゲレオタイプというモチーフがおもしろかっただけに、後半急速にその要素が薄れていってしまうのが残念でした。代わりに増していくタハール・ラヒムの存在感は捨てがたいし、とくにラストシーンの表情は忘れがたく、すばらしいのだけど。


★★★