湯を沸かすほどの熱い愛

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最高の愛を込めて、葬ります。
死にゆく母の熱い想いと、想像もつかない驚きのラストに、
涙と生きる力がほとばしる家族の愛の物語。

監督・脚本:中野量太
撮影:池内義浩
編集・題字:高良真秀
美術:黒川通利
衣装:加藤麻乃
音楽:渡邊崇
主題歌:きのこ帝国『愛のゆくえ』


泣きに行ったし、実際号泣したのだけど、なんというか承服しがたい作品だった。
闘病モノで疑似家族モノで、ちょっとえげつないくらい泣かせにかかるエピソードのつるべ打ちで、しかも役者陣はすこぶる良いので、自分としても至極残念なのだけれど。
臆面もなく感動するにはモラルの壁が高すぎた。

(以下ネタバレ)


高齢ドライバーによる痛ましい事故が記憶に新しいこのタイミングで、宮沢りえ演じる母双葉の運転は、とても看過できない。あと元も子もないこと言うけど、実際双葉のようなひとってわたしたぶん苦手なんだよなあ……。宮沢りえが演じているからそれが薄れるけど、双葉のような母に育てられた、杉咲花演じる「純粋培養ないい子」像に首をひねってしまう。
ラストはモラル的には別にいいんだけど、想像つきすぎるし、ファンタジーすぎる。

ぐっときたのはオダギリジョー演じる父。しょうもないぼんくらなんだけど、その男の愚かさこそが賢しい女を救うというか。ピラミッドのエピソードの三段オチには、ストレートにぐっときました。


★★