ワンダー 君は太陽

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やさしさの半分は 勇気でできている
少年オギーがヘルメットを脱いだとき、見えなかった奇跡が待っていた

原題:WONDER
監督・脚本:スティーヴン・チョボスキー
脚本:スティーヴ・コンラッド / ジャック・ソーン
撮影:ドン・バージェス
編集:マーク・リヴォルシー
美術:カリーナ・イワノフ
衣装:モニク・プリュドム
音楽:マーセロ・ザーヴォス
原作:R・J・パラシオ『Wonder(ワンダー)』


予告編の限りでは、絶対に観に行かないタイプの映画に思えたが、『ウォールフラワー』スティーヴン・チョボスキー監督作となれば!

よかった!ひとつ前に観たのが、「社会に対するメッセージを伝えるために映画を撮ったことはない。どんなメッセージかは受け取る側が決めること」「映画は何かを告発するとか、メッセージ伝えるための乗り物ではない」という是枝監督の作品だったこともあり、“Choose kind."という臆面も無いストレートさは、ズバーンと心を撃ちました。


基本的には『ウォールフラワー』と共通点が多く、監督の手腕がいかんなく発揮されていると思う。すなわち少年/青年が脱皮するまぶしい瞬間を捉えた成長譚であり、オギーを中心に、視点が姉→姉の親友→オギーの親友と移り変わっていく構成は、『ウォールフラワー』でも見られた「脇役・端役にまで注がれる愛情」と「登場人物全員に宿る物語」が感じられてぐっときました。すべての視点が子ども目線で、親の視点は描かれていないけれど、親の立場からすると、どの子どもの親の目線にも立ってしまい涙が……。オギーのふとんカバーに溢れ出る愛情よ!

だからこそ、ジュリアンの顛末がとても性急で不自然に感じられたのが…ものすごく惜しい……!『もうひとつのワンダー』の存在を知って、合点がいきましたが、一本の映画として、ジュリアンのチャプターは絶対に必要だったと思う。オギーと陰陽の関係にあるジュリアンを退場させてしまうことは、この映画のメッセージを歪めてしまうことだと思いました。

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★★★