クリード 炎の宿敵

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戦わなければならない奴がいる。
『ロッキー/炎の友情』を受け継ぐ、息子同士の宿命の戦い

原題:CREED II
監督:スティーヴン・ケイプル・Jr
ストーリー:チェオ・ホダリ・コーカー
撮影:クレイマー・モーゲンソー
編集:デイナ・E・グローバーマン
美術:フランコ=ジャコモ・カルボーネ
衣装:リズ・ウォルフ
音楽:ルートヴィッヒ・ヨーランソン


毎年2/11は、挙式したレストランで記念にランチをいただくのを楽しみにしているのですが、術後3日は要安静とのことで今年は断念。せめてもの思いで、憔悴しきった死に体に闘魂を注入してきました。

評価の高かった『クリード チャンプを継ぐ男』の続編ですが、わたしはこちらの方が好きかもしれない。
前作のスマートさや鮮やかさ、爽快感はないけれど、これぞロッキーシリーズといった男汁と泥臭さ、がバッカゲン!

『ロッキー4』でアポロを死なせロッキーに敗れた男イワン・ドラゴが、息子と共に地獄から舞い戻ってくるというストーリーは、「敗れた側にも物語がある」という大好物な展開。さらにアドニスも、ロッキーも、ドラゴも、「そして父になる」。

とにかくすばらしいのが、最終決戦の着地。なんという神技!失うものがないヴィクターがアドニスに負けるかよ!と断腸の思いで観戦していましたが、ドラゴ親子は負けない!!イワンが過去という呪縛を断ち切り、ようやく息子と向き合った選択の結果は、自らの苦渋の道程全てが反映された、ヴィクターもアドニスも救うような一手で、究極の憑き物落とし映画だな、と涙が止まりませんでした。

もちろん、宿命を超えて、自前の「生きる場所」と「家族」を確立したアドニスにも拍手。
鑑賞後、「でも嫁のリング先導はフフッてなるよね~」と笑っていたら、夫は「いや、おれは世界戦を迎えるとしたら絶対に嫁の歌で入場する」と大真面目な顔をしており、これが正解なのか……。


★★★★