夏休みがニック・フューリーに支配される。
原題:SPIDER-MAN:FAR FROM HOME
監督:ジョン・ワッツ
脚本:クリス・マッケナ,エリック・ソマーズ
原作スタン・リー,スティーヴ・ディッコ
トムホは人類の孫。ゼンデイヤMJとジェイク・ギレンホールも最高。監督&脚本コンビも好きなのですが…
やはり『エンドゲーム』と同じく、世間の熱狂から取り残される形になってしまいました。
(1)↑ほんとこれなー。前作『ホームカミング』が青春モノとしてもものすごくよくできていたのに比べ、今作はラストの最高の甘酢*1で巻き返すものの、どこかチグハグな印象。『エンドゲーム』後のMCUという荷物が重すぎるんでしょうね。作品としてはわたしは断然ホムカミの方が好きでした。
(2)↑そして評価が分かれるポイントになるかと思う今作のメタ構造。ストーリーはちゃぶ台返しというか…、一回しか使えない禁手をやってしまったなと。かなり危険な領域に踏み込んでいる気がするな……と鑑賞中からハラハラしていました。ミステリオの仕掛けもポストクレジットも「超人ヒーローの実在を楽しむ映画」っていうMCUの根底がゆらぎかねない、もっと言えばそういう観客をもてあそんでいるとも捉えられかねない、ギリギリの線だな、と思いました。
あと、(3)スパイダーマンであまりヴィランを死なせてほしくないんスよ……。少なくとも、死なせないための努力は描いてほしいんですよ。*2
とりあえず、わたしが一番危惧していたのは、スパイディがアイアンマンの後継者として、「親愛なる隣人」を逸脱するところまで引っぱり出されてしまうのでは……という点だったので、その点についてはホッとしました。
しかし、わたしがマーベル・ヒーローに求めているのは「楽しさ」や「ワクワク感」が第一義なので、 「もうそんなキャンディを求めちゃいけない時代なのかな?」などと、老害みたいなことを考えているところです。『アイアンマン』ぐらいの味わいが心底なつかしい。
★★★