少女は北極点を目指すー
お祖父様の名誉のために。
原題: TOUT EN HAUT DU MONDE
監督:レミ・シャイエ
脚本:クレール・パオレッティ、パトリシア・バレイクス
作画監督:リアン=チョー・ハン
音楽:ジョナタン・モラリ
ずーーーっと気になっていた作品。先日の会で信頼できる友が上位にランクしていたし、字幕付きDVDも発売されるか不安だったので、東京都写真美術館で観てきました。
こ れ は 大傑作!!!とにかくどの場面を切り取っても圧倒的にうつくしい画!まさに写美で上映されて然るべき
そして近年の映画が物語的にも映像的にもいかに情報過多かに改めて気づかされて、居ずまいをただすような思いに。髪の毛の一本一本を描きこむことももちろんすごい表現だけれど、額にこぼれる一筋の髪や風にゆらめく髪のうねりのミニマルな表現のうつくしさを忘れてはいけない、と思った。
絵の快楽や迫力や詩情や余韻を、一切邪魔しないストーリーもシンプルで力強く、ずっと感動しっぱなしでした。夢幻のような最果ての地で、ついに大事なひとに巡り合うさまは『ファースト・マン』を思い出したりも。
引き合いに出して申し訳ないけれど、本作を観ながらずっと比べてしまっていたのは、『アラジン』。母の形見のブレスレットを手放さず、脳内で男たちを消し炭にしていたジャスミン*1と、祖父の形見のピアスをだまし取られ、それでも行動で男たちを変えていくサーシャ。子どもにどちらのプリンセスの背中を見せたいかー
わたしなら文句なしに後者です。
あとはイッヌーーー!猛烈にかわいい賢い尊い犬描写!大自然の脅威を前にした時の人間の無力さと犬の気高さーーーー!最高ーーーー!
パンフレット売り場で、「グッズは!?なにかグッズはないんですか?」と勢い込んで尋ねている男性を見かけて、「わかる!わかるよ!」って思いました。
★★★★★
*1:ほんとしつこくてごめんな