ジョジョ・ラビット

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愛は最強。
2019年度(第92回)アカデミー賞脚色賞

原題:JOJO RABBIT
監督・脚本・製作:タイカ・ワイティティ
撮影監督:ミハイ・マライメア・Jr
編集:トム・イーグルス
美術:ラ・ヴィンセント
衣裳:マイエス・C・ルベオ
メイキャップ & ヘア:ダニエル・サザーリー
音楽:マイケル・ジアッチーノ
原作:クリスティーン・ルーネンズ


キュートでシニカルでとてつもなく優しい、タイカ・ワイティティの作家性がいかんなく発揮されてる。ラスト、重く胸を打つキュートなダンスも含め、戦場版
『ムーンライズ・キングダム』という評も納得。

笑いと残酷性、リアルとファンタジーのバランスを取り、靴と靴紐にまつわる一連のエピソードを鮮やかに配置し、LGBTQなどの要素もしのばせながら、強烈なメッセージを打ち出す手腕は見事。
小さな恋の物語、戦争映画、少年の成長譚、親子ドラマ、ブラックコメディ、など様々な角度からていねいに練り上げられている

ただこの映画が自分にハマったかというと、判断に迷う。コメディ要素が全く機能しないほど、この映画は正直つらかった。ジョジョの成長や受容がみずみずしくて愛おしいながらもとてもかなしく、おとなはまずこんな地獄つくっちゃだめだよな……と胸が痛かった。

スカヨハとサム・ロックウェルは、過酷な世界で大人が「できること」を最大限やっていたけれど、半径10m以内の世界を変えられないままだった。
スカヨハがジョジョの思想を頭ごなしに否定しないところはすてきだったけれど、ジョジョとエルサの出会いはスカヨハが意図したところではないし、ジョジョヒトラーユーゲントサム・ロックウェルは大尉であり続けた。ジョジョとエルサをあのまま遺していくなんて絶対にあってはならなかった。そこへきて、そもそもこんなに立派な大人でもない自分の無力感はすさまじかった。


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★★★