さらば、全てのエヴァンゲリオン。
企画・原作・脚本・総監督:庵野秀明
監督:鶴巻和哉、中山勝一、前田真宏
総監督助手:轟木一騎
総作画監督:錦織敦史
副監督:谷田部透湖、小松田大全
編集:辻田恵美
音楽:鷺巣詩郎
テーマソング:宇多田ヒカル
ちゃんと終わってて鬱エンドじゃなければ祝福できる!
わたし世代の観客はほぼほぼそんな気持ちだったんじゃなかろうか?
熱心なファンでないにせよ、青春時代からエヴァと共に年をとってきて、庵野監督のプライベートも大枠は把握していて。
安野モヨコの『監督不行届』の巻末インタビューで、監督は「嫁さんのマンガは、マンガを読んで現実に還る時に、読者の中にエネルギーが残るようなマンガ。読んでくれた人が外側に出て行動したくなる力が湧いて来るマンガ。現実に対処して他人の中で生きていくためのマンガ」と評していて、新劇はエヴァでこれをやろうとしたんだと思う。そして庵野監督が「もうエヴァに乗らなくていいようにする」!
その志が痛いほど伝わる最終章だった。これ以上の、これ以外の、終わらせ方はないと思う。
もはやドキュメンタリーだから、感謝と祝福しかない。
安野モヨコなくして新劇なし。
ただ感情的には、大人になった登場人物たちに、うれしさよりさびしさが勝った。
思い返すだに、わたしはみんなのエゴや身勝手をけっこう愛していたんだな、と思う。
父親の罪の決着をつける必要なんてないよ、シンジくん。幸せになれたならいいけど。*1
第三村パートは、自分も子どもを大事にして、シンジくんを癒す側の大人にならなきゃな、と身が引き締まる思いになりつつも、委員長ヒカリの描写はキツかった。子ども生んだら即身成仏ゴールみたいなのほんとやめて〜。
そして、ふり返ると改めてふるえる、宇多田ヒカルの天才ぶり。たぶん庵野監督すら手探りだった新劇の旅路の、本質と結末を最初から見抜いていたかのように思える、曲調と歌詞。神がかりがすぎる……。
ちなみに、このタイミングで序破Qを観返していたら、娘(4才)もハマったので覚書。
★★★★
*1:元カノ肥やし無双みたいなのは若干気になったが