007 ノー・タイム・トゥ・ダイ

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原題:NO TIME TO DIE
監督・脚本:キャリー・フクナガ
脚本:ニール・パーヴィスロバート・ウェイドスコット・Z・バーンズフィービー・ウォーラー=ブリッジ
撮影:リヌス・サンドグレン
美術:マーク・ティルデスリー
衣装:スティラット・アン・ラーラーブ
編集:エリオット・グレアム トム・クロス
音楽:ハンス・ジマー
主題歌:ビリー・アイリッシュ


リッチでゴージャスな卒コンありがとう!と思いつつも、正直007シリーズの限界を感じながら観てしまった。

そもそも『スカイフォール』であまりにもきれいに輪が閉じてしまったので、『スペクター』もNTTDもアンコール的な雰囲気が否めず…。さらに現代的な価値観でボンドの「お約束」を描くのもかなり難しいし、なにしろ〆なきゃいけない……。
だからアバンやボンドカー、バディ的な距離感のボンドガールなど、監督ががんばれるところがとても限られていて、そこがそのままブチ上がりポイントに直結していた気がする。
正直、わたしはアナ・デ・アルマスのシーンがピークで、以降はちょっと眠気とおいおーい!?を多めに感じてしまった。アナ・デ・アルマス周りは『FLEABAG』のフィービー・ウォーラー=ブリッジみを感じて、「あ!良い!新しい!」と思ったんだけど、やはり今作はあくまでダニクレの卒コンが主眼だから、そっちに全振りするわけにもいかないよな。

レア・セドゥは大好きだし、オープニングの少女時代の振りにはワクワクしたんだけど、後半それが活きてこないどころか、マドレーヌ母子がけっこうノイズになってしまって楽しめなかった印象。子が弱点になる母(ピンヒールはかすな!)、家族を守って自己犠牲の父、という構図に至っては退屈だなーとすら思ってしまった(将来的にマチルドが007になるラインを残しておくためかもしれないけど)。

あと、敵方もどんどんわかりづらくなっていて…(ラミ・マレックはとてもチャーミングだったんだけど)。今回の「ヘラクレス計画」も悪いの誰?責任者呼んでほしいのだが?っていう。トーンがシリアスなだけに、余計にそのずさんさとのギャップにびっくりしてしまう。

個人的には次期ボンドはもっとチャラチャラセクシーな感じで、陽キャノリで気軽に世界を救ってほしいんですがだめですかね??

(あと余談ですが、となりに座ってた上品なマダム二人組が枯山水でブハッてふいてて推せる…ってなりました)


★★★