ベルファスト

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明日に向かって笑え!
1969年、激動の時代に揺れる北アイルランド ベルファスト
故郷を想う、家族を想うー大切な想いを持つすべてのあなたに贈る人生讃歌

原題:BELFAST
製作・監督・脚本:ケネス・ブラナー
撮影監督:ハリス・ザンバーラウコス
編集:ウナ・ニ・ドンガイル
美術:ジム・クレイ
衣装:シャーロット・ウォルター
ヘアメイク:吉原若菜
音楽:ヴァン・モリソン


徹底的な子ども目線の 狭い範囲で描かれる世界、にぎゅっと詰まっているもの。世の中の不条理や分断や暴力。でもたしかにある日々のかけがえなさや生きる喜び。そして故郷への愛。半自伝的な作品だけあって、とてもちいさくごくごく個人的な物語に神が宿る典型の映画だと思ったし、わたしはオスカーが似合う映画だな、と思った。(個人的に町の話に弱いってのもありますが……。)

『ジョジョ・ラビット』にとても近い手法だと思ったけれど、起伏やドラマ性は極端に少ない。起こっている事態の深刻さに対して、『ジョジョ・ラビット』は「リアル」と「ファンタジー」でバランスを取っていたように思うが、『ベルファスト』は「現実」と「日常」ー本来同じものを目線や緩急の違いで描き切っていたように感じる。だからこそ子どもの感性のみずみずしさと、その目の端にうつる不穏分子が強調される。

何よりこのカトリーナ・バルフはものすごい名演だと思う。親の苦悩や葛藤、それを子どもに隠している、という前提で演じるだけでも難しいのに、さらにそれを「子どもから見える母」として演じている。

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バディの記憶の中で輝きつづけるであろう"Everlasting Love"には思わず涙してしまった。

あとは、ラストのジュディ・デンチ。ラストの"Go. Go now. Don't look back."の強さには本当にしびれるし、この映画の後味を決定づける最高の仕事だったと思います。


★★★★