ニモーナ


原題:NIMONA
監督:ニック・ブルーノ、トロイ・クエイン
脚本:ロバート・L・ベアード、ロイド・テイラー
編集:ランディ・トレーガー、エリン・クラックル
音楽:クリストフ・ベック
原作:N・D・スティーブンソン

娘(7才)&息子(3才)といっしょに吹替版を鑑賞。現代の教科書のような映画でとても良かった!子どもに見せやすいし、観た後いろんな話がしやすい!


まず、ニモーナがキュート。パンクなキャラと変身シーンが超絶楽しくて、子ら大喜び!体型も足がちゃんと太かったりと、リアルな子ども感が最高。「ふつう」とは?「生きやすい」とは?に疑義を呈しながら"I'm Nimona!"と言い切る姿がまぶしくて、子どもの万能感や無限の可能性がいきいきと表現されていた。

観客を完全に味方につけた後、今度はニモーナのモンスターとしての孤独や苦悩をていねいに描いていくので、観客はどうしてもニモーナに寄り添うことになる。居場所の無さ、初めてできた友だちとの決裂、自死の可能性と、かなり踏み込んだところまで描いているが、現在進行形で苦しんでいるティーンへの強いメッセージと覚悟を感じた。


バディのバリスターもかわいい。孤児で有色人種でゲイ、と言うと、おとなは物語の装置的な印象を持ってしまうかもしれないが、なにしろ子どもは「なんで親が騎士じゃないと子どもは騎士になれないのー??」などと初歩のド正論をぶってくるので、これくらいわかりやすい構図でないと解説が追いつかなかった。この設定だと『レオン』的な関係性をさっくり回避できるのも良い。あとはクライマックスで「ごめん」と謝るのがすばらしかった。このムーブは「いいよー!えらいよー!」と子らにも大好評だった。娘はめずらしく「ぼく*1やさしいから*2感動しちゃったよ…」と涙目になっていました。


バリスターのパートナー、アンブローシャスの造形はきれいに対称すぎてこちらもややあざとい感じは否めないけれど、ラスト2人がいちゃいちゃしているさまを観て、子らが「おじさんたち仲良しに戻れてよかったねー!」とうれしそうにしていたのがシンプルに良かった。映画でこういうシーンを積み重ねていくことがより良い世の中につながっていくかもしれないし、作り手たちもそういう意図をもって制作していると感じた。ありがたい。


あとは、校長先生が黒幕というところも子らには楽しかったみたい。「校長先生が一番悪いよね~!」と怒っていたので、一応おとな的には校長先生の行動原理を説明しようと試みたりもして、あーでもないこーでもないとわいわい盛り上がった。娘的にはグロレスの行動が一番ショックだったようで傷ついていた。
親目線で言うと、「もしきみが黒ニモーナになってしまっても、我々がバリスターになるからね!」ということを子どもに一発で理解してもらえる、とても助かる映画でした。


★★★★

*1:娘は堂々たるぼくっ子

*2:なぜか自己アピールが入る…