2001年9月11日―4機の旅客機がハイジャックされた。
3機はターゲットに到達。
これは、その4機目の物語である。
911テロの際、ハイジャックされた4機のなかで唯一、標的に到達することなく墜落したユナイテッド93便のフライトを描いたドキュドラマ。
原題：UNITED 93
監督・脚本：ポール・グリーングラス
サッドエンドがわかっている映画を観にいくのは気が進まなかったけど。過剰に描かず、むしろ淡々と経過を追うよう意図された作品でしたが、もう鳥肌と涙が止まらず。なにごとかと思うような緊張感。誰か主役がいるわけではないのですが、乗客やテロリストのささいでていねいな描写のせいで「このひとたちにきちんと生活があって、すきなひとがいたんだなあ」というあたりまえのことがリアルに迫ってきて、泣かずにはいられませんでした。
テロリストが「フハハハハ」って笑うひげの悪者で、ブルース・ウィルスが退治してくれればいいのにと思いました。乗客が立ち向かっていったところに希望を感じつつも、迫りくる乗客に感じるテロリストサイドの恐怖にも気持ちを引っぱられる。双方が望む結果にならなかった無情さも痛かったです。アメリカのいいところとわるいところがなんとなく表れているような気がしました。
★★★
