シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション

f:id:tally:20191212111849j:plain


全仏熱狂!動員160万超のパワームービーが遂に上陸!
この手があったか!
冴羽獠、最大の危機(笑) by 北条司

原題:Nicky Larson et le parfum de Cupidon
監督・脚本:フィリップ・ラショー
脚本:ジュリアン・アルッティ、ピエール・デュダン、ピエール・ラショー
撮影:ヴァンサン・リシャール
編集:ナタン・ドラノワ、アントワーヌ・ヴァレイユ
プロダクションデザイン:サミュエル・テッセール
衣装デザイン:クレア・ラカズ
音楽:マキシム・デプレ、ミカエル・トルディマン
原作:北条司


だいすきないつメンと酒坊主前に。
これは原作者冥利に尽きるだろうな、と。
そういった意味で日本人の観客にも不思議な感動を
与えてくれる映画でした。愛だろ、愛!


とにかく全編にわたって原作への愛があふれまくっており、
ちょーどいい湯加減のテンションと
牧歌的とも言える具合のコンプラがずーっと続く。
そしてその先のゲワイの流れにはちょっと涙してしまった。
改めてめちゃくちゃいい曲だな!


TM NETWORK - Get Wild【PV】


監督兼主演のフィリップ・ラショーさんは、
二枚目と三枚目のバランスが完全に冴羽獠だったし、
香役の女優さんはプライベートでもパートナーという点も激エモ。

mobile.twitter.com

トップガンのテーマで発作のように笑ってしまったし、
となりを見やると、いつメンたちも前のめりになって
笑っていたので、とてもしあわせなきもちになりました。
ちょうど各々つらさやたいへんさを抱えたタイミングでの
鑑賞だったので、この映画を選んでよかったな、と思いました。


Berlin - Take My Breath Away (Official Video)


来年はこのメンバーでオスカー予想会やる!
そのために生き延びる!


★★★

ちなみにこの日は、いつメンとの毎年恒例の、
「被らなさそうな順に映画年間ベストを発表しあう会」
もやりました(まだちょっと時期が早いので暫定ですが)。

全員選んでいたのは、『スパイダーバース』『ワンハリ』『工作』でした。納得!
被りがでたのは、『レオニー』『バーニング』『ファースト・マン』でした。

今回挙がった作品には未見のものもけっこうあったので、
順次キャッチアップしていけるといいなと思います。
は~、楽しみが増えた!

青の帰り道

f:id:tally:20191211143944j:plain


もしも僕が天才だったら。

監督・脚本:藤井道人
脚本:アベラヒデノブ
原案:おかもとまり


高畑裕太逮捕によるお蔵入りの危機を乗り越えた今作。
無事に公開されて、ほんとうによかったし、
スタッフ・キャスト陣は苦労や感慨もひとしおだったろうな、と。
その気合いや想いが垣間見える、入魂の一作という感じでした。

2018年のベストを語るオフ会で好評を聞いていたので、
甘酢乞食としては、とても楽しみにしていました。
ただ、この作品、ストレートな青春モノと思っていたら
痛い目みるやつやった!
ポスタービジュアルはある意味ミスリード


前橋の高校を卒業した仲良し7人組のその後と
帰還を描いている本作。
つまり、甘酢どころか苦み成分 最大量配合案件。
「こんなはずじゃなかった」という挫折と
各々がそれをどうにか受け容れていく、という話なのである。

劇中のように、ここまで進路が分かれなかったとしても、
友だちと各個孤戦状態になる時期は誰しも必ずあって、
「大人になる」きっかけやタイミングもそれぞれで、
その痛みや残酷さが胸に迫ってきた。


そんな傷だらけの子どもたちを見守る、親の目線は理想的。
ここで描かれているような、子どもが夢破れた時に動じない
足腰の強さは努力目標だなぁと思うし、何度も涙してしまった。
だからこそ、できちゃった婚カップルの葛藤が描かれないのは
軽率というか…ちょっと安易な気がした。
彼らこそ7人の一番早い時点で、修羅場を迎えているはずで、
「いい家族」に終始してしまっている描写が唯一残念だった。


とにかくキャストが皆すばらしくて、
とくに森永悠希には思わず「机くーん!」と叫んでしまった。

f:id:tally:20191211151108j:plain

旬のキャストのきらめきを切り取っている、という点でも
あざやかな青春映画。
すべてを表すようなタイトルが秀逸。


★★★★

魂のゆくえ

f:id:tally:20191210135304j:plain

タクシードライバー』脚本、巨匠ポール・シュレイダー
構想50年の末に完成させた❝いま❞を射抜く渾身作!

原題:FIRST REFORMED
監督・脚本:ポール・シュレイダー
撮影:アレクサンダー・ディナン
編集:ベンジャミン・ロドリゲス・Jr
美術:グレース・ユン
衣装:オルガ・ミル
音楽:ラストモード


わたしの周りでは男性の猛者しか観ておらず、
その猛者たちがこぞって「凄まじい映画体験…」
「米公開(2017年)時に観ていたら、受け止めきれなかったかも……」などと
ざわついていたので、ずーっと気になっていました。

おそらく夫も好きであろう…と思ったので、
一緒に鑑賞したのですが、二人して快哉を叫びました。
想像の斜め上をゆく、ハードコア・スピリチュアル映画!

色々な観方ができる映画だけれど、
初見では精神の孤独性と祈りについての映画、という印象が強かった。
メガチャーチ批判、社会/環境問題に対する問いかけ、など様々な側面があるけれど、
「神の御心」がわからず、祈りが一方通行であるのと同じように
ひとの精神など誰にもわからないし、
コミュニケーションは基本的に一方通行性をはらんでいるー
けれど、肉体や祈りが起こす奇跡は確かにある、あるんだよ!
という面の描写に、個人的には一番心を惹かれました。

しずかな怒りと狂気に侵蝕されていくさまは、
『ジョーカー』に通じるところもあるけれど、
わたしは断然こっちが好きです。


eiga.com

監督インタビュー、こんなに有り体に言っていいのか
と思うほど笑 とてもわかりやすい。


あとは、やはりトンデモ描写がとてつもなくチャーミングだったな、と。
それが肉体や祈りにまつわるシーンに凝縮されているのが、余計に胸を打つ。
サイクリングや空中浮遊、ラストシーンの多幸感はちょっと忘れがたい。


f:id:tally:20191210142114j:plain


他にも、地獄すぎる葬式や、刺身奮発、
マグカップ飲酒にパイプフィニッシュカクテル、
自爆ベストのパンクスみや、キリストコス、など
思わず笑ってしまう場面も多く、
序盤の「このテンションがずっと続くの…?」という心配が
裏切られ続ける快感は、すこぶる映画的だなと感動しました。


★★★★

映画テン年代ベストテン

washburn1975.hatenablog.com


id:washburn1975さん主催の企画に参加させていただきました。
基本的には、毎年年末に選んでいるマイベストの総ざらい的なラインナップに。
順位をつけるのは難しすぎるので、順不同で。


2012 『桐島、部活やめるってよ』 (吉田大八監督)

f:id:tally:20191127110113j:plain


2016 『シング・ストリート 未来へのうた』 (ジョン・カーニー監督)

f:id:tally:20191127114220j:plain


2019 『スパイダーマン:スパイダーバース』 (ボブ・ペルシケッティ / ピーター・ラムジー / ロドニー・ロスマン監督)

f:id:tally:20191127130305j:plain



ウワー!大好きな映画ばっかりだ!!!(あたりまえか)
全部DVD持ってるし、大好きな監督ばかりだし、
どれもなんらかの感情からはなはだしく涙してしまった作品です。
振り返ってみると、個人的には2011年2016年2017年あたりが激戦でした。

横綱すぎて入れなかった『ソーシャル・ネットワーク』
あと一歩でベスト10入りだった『オデッセイ』
個人的な思い入れが強い『her / 世界でひとつの彼女』『20センチュリー・ウーマン』『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』
邦画なら、『永い言い訳』『この世界の片隅に』
タランティーノウェス・アンダーソンスピルバーグ!ごめんなー!

CLIMAX

f:id:tally:20191118115018j:plain


鮮烈に、堕ちる
鬼才ギャスパー・ノエ最新作
すべての感覚を支配する狂乱とカオスの97分間

監督・脚本・編集:ギャスパー・ノエ
撮影監督:ブノワ・デビエ
編集:ドゥニ・ベドロウ
プロダクションデザイン:ジャン・ラバッセ
衣装:フレッド・カンビエ
振付:ニーナ・マクニーリー


ダンス大好きなので観たい!けどなんだか途方もなくグロそう……
とずっと二の足を踏んでいましたが、
ここのところ体調が極悪で、「極悪には極悪をぶつけて相殺!
あとは野となれ山となれ~」という気持ちでドーンと観てきました。

続きを読む

ジョン・ウィック:パラベラム

f:id:tally:20191021151733j:plain


世界はおまえを許さない
伝説の殺し屋は、復讐の果てに逃亡者となる
ノンストップ・キリングアクションは、いま驚異の進化を遂げた!

原題:JOHN WICK:CHAPTER3 PARABELLUM
監督:チャド・スタエルスキ
脚本・キャラクター原案:デレク・コルスタッド
脚本:シェイ・ハッテン、クリス・コリンズ、マーク・エイブラムス
撮影監督:ダン・ローストセン
編集:エヴァン・シフ
プロダクションデザイナー:ケヴィン・カヴァナー
衣装デザイナー:ルカ・モスカ
音楽:タイラー・ベイツ、ジョエル・J・リチャード


毎回アクションが更新される、おれたちのキアヌによる
信頼できるシリーズですが、今作は今までの中でも一番好き!
筋と代償と犬が尊ばれる世界 最高!!


毎回新たな「~・フー」アクションを生み出し
観客を魅了してくれるジョン・ウィックですが、
今作はとくに前半の「~・フー」飽和状態がものすごくて、
しかも一つ一つが大大大好き!
NY公共図書館の本!ナイフ手裏剣!漆黒の馬蹴り!


とりわけ、言わずもがなの「Dog Fu」!!!
ハル・ベリーと犬たちのコンビネーションには、
今年一の興奮をいただきました。
これで何杯でもお酒が呑めます!ありがとうございます!
アクションでこんなに感動したのは初めてかも……。
うつくしすぎる犬たちの躍動に号泣してしまいました。


f:id:tally:20191021153339j:plain


私的「犬がアツイ映画」ベストを更新したかもしれない……。



後半は正統派アクションになっていくので、
玄人ほど楽しめるんだろうなーと思いつつも、
さすがにショットガンリロードには血湧き肉踊りました。
かっこいーーー!うつくしいーーー!
ほんとトムちんとキアヌのアクションへの情熱はどうかしてると思います。
陰陽が逆なだけで、最高にして最狂のベクトルは同じなのかもしれない。


★★★★

蜜蜂と遠雷

f:id:tally:20191015114859j:plain


私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?
生命と魂を懸け、ピアノコンクールに
挑んだ天才たちの 情熱と修羅の物語

監督・脚本・編集:石川慶
ピアノ演奏:河村尚子、福間洸太朗、金子三勇士、藤田真央
春と修羅」作曲:藤倉大
オーケストラ演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
原作:恩田陸


「あの『愚行録』の石川慶監督が『蜜蜂と遠雷』!?︎」
とずっと楽しみにしていた作品。

たぶん誰がどんな作品を撮っても、
原作ファン全員を納得させることは不可能で、
かつ原作者から「前後編禁止」「3時間は長い」という制約付き。
その中で、原作から抽出するエッセンスを大胆かつシンプルに絞った、
すこぶる映画的な、大変勇気のあるアレンジに舌を巻きました。

「無上の音楽」を「読者」の耳に鳴らすことに成功してしまった原作を
映画化するには、「実際の音楽と映像で観客を徹底的に圧倒すること」と
「それが四者四様であること」が絶対命題であり、
そこに力点を置いて資源を集中しているのは
ほんとうにすごいことだと思います。
演奏シーンのすばらしさに、ただただピアノすごい!と
感動してしまいました。


好きなものへの純粋で真摯な向き合い方と、
それが自然にお互いを救うさわやかさに満ちた映画で、
とても満足したのですが、惜しむらくは高島明石の扱いかな、と。

おそらくは原作未読の観客のために、
四人の構図をわかりやすく映画的にした結果、
明石については天才たちの覚醒のトリガー程度の位置づけで、
敗北が強調される形になってしまった。
「生活者の音楽は、音楽だけを生業とする者に劣るのだろうか」
という問いかけだけで泣けてしまうような、
おれたちの代表・高島明石。
映画は栄伝亜夜の物語になっているけれど、
原作は、まちがいなく高島明石の物語でもあるので、
すこしさみしい気はしました。*1


石川監督は、黒沢清監督に似た資質があると思うので、
天才への「畏怖」や「異物感」の気配が感じられたのも良かったです。
ホラー撮ってほしい。
石川慶監督をこれからも追うべき監督だと確信できたのが、
一番うれしいです。


★★★★

*1:でも、原作未読の方で「『春と修羅』は高島明石の演奏が一番好きでした」という感想をいくつか見かけたので、ここまで意図しての決断なのかな、という気もする