ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

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王の覚醒。

英題:GODZILLA: KING OF THE MONSTERS
監督・脚本:マイケル・ドハティ
脚本:ザック・シールズ、
撮影監督:ローレンス・シャー
編集:ロジャー・バート
美術監督:スコット・チャンブリス
衣装:ルイーズ・ミンゲンバック
VFX監修:ギヨーム・ロシェロン
音楽:ベアー・マクレアリー

祭 pt.3。
ゴ!ジ!ラ!ソイヤッ!ハッ!


怪獣パート楽しかった!
各怪獣の動かし方やキャラ付け*1がまるで小二男子がソフビで遊んでいるかのよう。
そこにどえりゃあ金を投入して
めちゃくちゃかっこよく神格化してド迫力で撮りました!っていう。

しかし、人間がクソ。クソすぎる。
 ・ケンワタナベ出征時のモナークの方々のテンション*2
 ・マジ被曝なめんな・・・・・・
 ・なんかもう『ジュラシックパーク』じゃない?
 ・結局みんなエコテロリストもしくはサノス的思想の持ち主なのでは?
 ・てか結局毒親が地球を巻き込んだ壮大なセラピー会なのでは??


小二男子の心で楽しめば5億点なんだけど、
大人そして日本人としてはスーンとなってしまうところは否めなかった。
核をゴジラに注入する、しかもそれを「芹澤博士」にやらせるの、
初代への最大の裏切りでは?という違和感は
どうしてもぬぐいきれなかった。

わたしが今回改めて思ったのは、自分が好きなのは初代ゴジラで、
過度なヒーロー化や人類との共闘は興が醒めてしまうということ。
「幽玄」「哀しみ」「憂い」を湛えていてほしいし、
人智を超えた神秘」を秘めていてほしい。
力や強さに特化してほしくないし、
まして人間が周波数で操るとか地球環境に優しいなんてもってのほか。
それは、全てが明るみに出る陽の洋ホラーと
「わからなさ」がこわい陰のJホラーに対する感触に似ているかもしれず、
わたしはゴジラに「陰」の存在でいてほしいのであった。
(完全に好みの問題です。)

というわけで、個人的な好みとしては、
ギャレス・エドワーズの圧勝。(伊福部音楽さえ搭載されていれば)
そして、このタイミングで再見した『シン・ゴジラ』は、その陰陽のバランスが神がかってる。
めっちゃおもしろいのに、ゴジラが陰の一線を固持していてめちゃくちゃすごいなと思いました。
庵野監督にありあまるほどの予算を・・・・・・・!


★★★

*1:全能神ゴジラ、業火の悪魔キングギドラ、こうもり野郎ラドンに、癒しの女神モスラ

*2:誰も代案とか自分が行くとか言わない

神と共に 第一章 罪と罰

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いま、地獄の門が開かれる―
3人の使者と共に、7つの地獄を突破しろ!
冥界の謎を解き明かす、ファンタジー・アクション!!
『新感染』を超える歴史的大ヒット!!

英題:ALONG WITH THE GODS: THE TWO WORLDS
監督・脚本:キム・ヨンファ
撮影:キム・ビョンソ
編集:キム・ジノ、キム・ヘジン
プロダクションデザイン:イ・モグォン
音楽:バン・ジュンソク


祭 pt.2。
冥界ディズニーランド!地獄ロードオブザリング
儒教コンスタンティン!燃え上がる中二魂!!!

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現世と異界がリンクして不吉な現象が起こるさまは
魔性の子』みもあった。*1*2


魔性の子 十二国記 0 (新潮文庫)

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まず、つかみがめちゃくちゃうまいなーと思いました。
設定のおもしろさと使者トリオのアイドル性にワクワクする。
クールだけど情にもろい、敏腕リーダー・カンニム(ハジョッシ~!)、
理想の娘みあふれる弁護士補佐・ドクチュン、
そしてキュートで脳筋な警護担当・イウォンメク!
イウォンメクを演じるチュ・ジフンのスタイルがまさに浮世離れしていて…。
ハ・ジョンウも184cmあるけど、それを超える187cm!
「田中守になりたい」はわからないけど、ヘウォンメクにはなりたいッ……!
『オーシャンズ8』と同じく、完全に「鑑賞後の画像検索までが映画」です!

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ドクチュンは赤ちゃんのときから天使だな~。


地獄も最初の殺人地獄の大王がいいのよ。*3
なんかおもしろイモータン・ジョーって感じで、
めちゃくちゃ笑ってしまいました。
検察側にあたる判官のぬけさく感もイイ。

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楽しかったけど、いただけないポイントもいくつか。
 ・まず長い(140分)。絶対もっとタイトにできる(とくに地獄中盤と現世パート)。
 ・緊迫感が薄い。カンニムリーダーが法侵しまくりでチート感があるため、あまりピンチを感じない。*4
 ・母性神話と儒教呪縛のつらみ。美談じゃなくね?


でも、もちろん第二章も絶対観ます!
とにかく三使者が動いてるのもっと見たいし、
この関係性が「因と縁」に展開するって、萌え死にするのでは?
いよいよマ・ドンソク兄貴が登場だしね!


★★★★

*1:というか異界の中にそれぞれ王がいるさまも『十二国記』みあるよね

*2:、と『十二国記』を紹介してくれた友だちに伝えたら、「ドクチュンは麒麟…」という返信があり、それな!

*3:閻魔大王は別格として

*4:しかしそこからの「ヘウォンメクー!」は最高なのだが

プロメア

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燃えて、消す!
それが流儀だ。

監督:今石洋之
原作・脚本:中島かずき
原作・アニメーション制作:TRIGGER
キャラクターデザイン:コヤマシゲト
美術監督:久保友孝
音楽:澤野弘之


祭が渋滞しているな…どの祭に行けばいいの…?
と思考停止した結果、公開順に攻めていくことにしました。
まずはpt.1。

この祭は参加してよかったやつなのかわからない。
なにしろわたしは『グレンラガン』も『キルラキル』も見ていないのである。
「これが日本のMCU」みたいなコメントを目にして、
「でもそれっていきなりエンドゲームに参加しちゃう感じかしら?」と気を揉みつつ観てきました。

楽しかった!ビビッドな色と画の爆発。
2D⇔3Dの関係は『スパイダーバース』の反転のようでワクワクするし、
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
のような終始フルスロットル感にぐいぐい引っぱられる。
上記以外にも『エヴァ』『シン・ゴジラ』『X-MEN』『ダークナイト*1東京事変」なんかが
とりとめもなく脳裏をよぎっていきました。
あとなぜか『スペースチャンネル5』(転換の間の取り方)。
テーマ的にも「父殺し」「世界VS個人」「マイノリティ側から見た世界」
「呪縛からの覚醒」「対立からの共闘」とかもう全部乗せって感じで。

すごいなーノンストレスだなーと思ったのは心理誘導。
マッドバーニッシュへの肩入れから
萌えないロボ造形のメタモルフォーゼまで
見事に誘導されてるなーと苦笑してしまいました。

設定も緻密。
2969.hatenablog.com


しかし、「細かい話はどーでもいい!アツい!エモい!」とのめりこめたかというと
残念ながらそうではなく。。。
やはり知識や思い入れがないからか、
感情より頭が先行してしまった気がします。

とくにファンの方が絶賛されている「音楽」が、わたしにはまったくダメで。
効果音やビート感は疾走感があって高揚するのですが、
ボーカルが乗ってくるととたんに快感がしぼんでしまうシーンがいくつもありました。
「あぁ~せっかく気持ちよくなりかけてたのに……」と。
でもこんな感想見たことないから、わたしがおかしいんだろうな。

とにかくその音楽に足を引っぱられながら
ノンストレスな心理誘導でつるっと観れてしまった結果、
「結局よくわかんないけどたのしかったー」となり、
「でもなんかもっと楽しめた気がするんだよなぁ・・・」という謎の不完全燃焼感が残りました。
このあたりは、今度かずき大好きな友だちに教えを乞いたいところです。


★★★

*1:クレイのキャラ造形がトゥーフェイスっぽい

世界でいちばん長い写真

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ある出会いが僕らを変えた。
実話から生まれた青春感動ストーリー。

監督・脚本・編集:草野翔吾
助監督:杉岡知哉
撮影:相馬大輔
美術:吉田敬
装飾:高桑道明
衣装:塩野谷由美
音楽:加藤久
主題歌:Lily's Blow
原作:誉田哲也


これまた、シネフィルの方に、「青春愛好家なら」と薦められて。
薦められなかったら観なかったであろう、
コピーとポスタービジュアル。
だけど、今回もドストライク。
最高にピュアでさわやかな青春映画でした。

「瞬間を切り取る」写真と、青春の相性の良さよ!
すきなものに夢中になりはじめるときの昂揚感や、
ひとときだけしかない青春のきらめき。
あらゆる場所で360°回りながらロケハンを重ねる
宏伸(高杉真宙)のまぶしさよ。

登場人物も良い。
破天荒だけど器用貧乏な、いとこのあっちゃん(武田梨奈)。
大事なカメラを「これしかねーんだもん」と椅子代わりにしたり、
時間がない時に「ゆで卵いっこ持ってきてー」とかましたり、
宏伸とのかけ合いにはほのぼのしてしまう。
素直になれない、カメクラ部長の三好(松本穂香)。*1
宏伸に買ってきた缶ジュースを渡せず、
廊下で2本一気飲みするシーンの甘酢さよ。
いかにも人の好いカメラ屋店主の宮本さん(吉沢悠)。*2
完全陽キャで頼れる兄貴分の水野勝。*3
THE・DKでにくめない、帰宅部部長の敦(前原滉)。*4

上記3人をめぐるあっちゃんの結婚相手の着地など、
伏線もめちゃくちゃ効いてる。
成長期のみ太陽に向かう「ひまわり」や、
良いときも悪いときも連綿と写し出す「パノラマカメラ」、というモチーフ。
随所に仕込まれた360°のカメラワークや、最高のエンドロール。
ひたすら良くできてるなーと感心しました。

そして、クライマックスの145m/13周!
カメラ版『リンダ リンダ リンダ』といった趣きで、エモ全開!!!
ここでも序盤「?」と思っていた和太鼓部の伏線が、
最高の形で回収される。鳴り響く法螺貝!笑


リンダリンダリンダ [DVD]

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くさいせりふと説明せりふの多さがちょっと惜しまれるものの、
びっくりするほどの良作でした。
カーストのやだ味が強調されずに、クラスタがのびのびしている感じも、
ファンタジーかもしれないけど良かった。
誰にでもお薦めできるし、たくさんの人に知ってほしい映画です。


★★★★

*1:『桐島~』吹奏楽部部長を思い出すようなキャラ

*2:13周の写真がどれも神がかってる

*3:見た目の説得力がすばらしい

*4:13周目の敦!敦ー!

ヘレディタリー/継承

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完璧な悪夢
緻密に張り巡らされた恐怖の罠。
“フィナーレ”まで瞬きさえ許されない。

監督・脚本:アリ・アスター
撮影監督:パヴェウ・ポゴジェルスキ
編集:ジェニファー・レイム、ルシアン・ジョンストン
美術:グレイス・ユン
衣装デザイン:オルガ・ミル
セットデコレーター:ブライアン・ライヴス
アートディレクター:リチャード・オルソン
ミニチュア模型・特殊メイク:スティーブ・ニューバーン
音楽:コリン・ステットソン


いまさら観ました。
絶対に観ない!*1と思っていたので、
けっこう前知識を入れてしまっており、
自分にはちょうど良い湯加減の怖さになっておりました。

*1:こわがりなので。しかし、昔からなぜか親しい人にホラー好きが多く、結果ご相伴するかたちでけっこう観てしまっている。

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愛がなんだ

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全部が好き。
でも なんでだろう、
私は彼の 恋人じゃない。

監督・脚本:今泉力哉
助監督:八神隆治
脚本:澤井香織
撮影:岩永洋
編集:佐藤崇
美術:禪洲幸久
スタイリスト:馬場恭子
音楽:ゲイリー芦屋
原作:角田光代


ジェーン・スーさんに相談したら、「それは執着」
「アラフォーになったら覚えてない」って斬られる案件を、
飛び越えていくさまがすごかった。
スーさんや片岡礼子ら、人生経験に裏打ちされた先人の言葉は
ある意味真理なんだろう。
けれど、それでもやっぱり、その枠に
当てはまらないひとや留まらないひともいて、
そこにはもはや共感など求められてはおらず―。*1
もっと言えば、失くした恋も並行世界ではこんな風に
ブッ飛んでいるかも・・・とすら思わせるような
パワーのある作品でした。

前作に続き、甘酢乞食垂涎の繊細な描写。
口に出して定義してしまったら、こわれてしまうような
関係性のはかなさ。
今泉監督は、名前をつけられないような感情や関係性、
届くべき人に届かない想いや恋愛の不均衡、
片想いの最強さ、に興味があるのかなと思いました。

そして、特筆すべきは、若葉竜也演じる仲原くん!!!
彼を好きにならずにいられるひとなんているでしょーか!?

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彼を観るためだけでも、この映画は価値があると思う。
ナカハラっちに幸せになって欲しい!
なんかおいしいものたくさん食べさせてあげたい!と心底願う点で、
わたしの心境はかなりすみれさんに近いものがあり、
おせっかいして嫌われないように気をつけなければならない、と思った。(現実との混同)

そしてまた、仲原くんの想い人である葉子さんも
きちんとさみしい人であり、仲原くんへの想いを抱えているのが
たまらなく良かった。
終盤、テルコとの殴り合い*2の迫力たるや。
あのクリティカルヒットの打ち合いは、
同性同士でないとできない気がする。

マモはよくわからなくて、逆にちょっと興味がわいた。
マモはすみれさんとつきあったら予想通りの俺様男になるのか?
コンプレックスの吐露は、そこそこ本心なのか、
それとも甘い言葉をかけてほしいだけの釣りなのか?とか。*3
とりあえず飲みに呼び出しといて自分が壁側、
テルコ下座に座らせるのが、くぅ〜〜〜しびれるッてなりました。
ほんとうは原作を先に読んでおきたかったけど、
予約図書の到着が間に合わなかったのが悔やまれる。


note.mu

こんな話なら永遠に読んでいられるよ。*4
友だちの感想いっぱい聞きたくなる映画でした。

金麦/エビス/プレモル!戎!酔の助!


★★★★

*1:わたしは「田中守になりたい」とか「田中守の親兄弟になりたい」と思ったことはないような気がする

*2:言葉の

*3:成田凌が演じてるからどういう容姿レベルの設定なのかよくわからない・・・

*4:おんぶのポスタービジュアルの話とか、3人でしかとれないバランスの話、ひざ打ちまくり

パンとバスと2度目のハツコイ

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スキにならずに、スキでいる。

監督・脚本:今泉力哉
主題歌:Leola


シネフィルの方に「好きだと思います」と薦められて。
すごいわー!甘酢乞食にドストライクなやつでした。

年齢や性別や立場に係らない、
名前をつけられないような感情の描写がとても丁寧で、
思わず観入ってしまった。

自分の価値や相手の感情が信用できなくて、
先回りして考え込みすぎて、
さみしくありたくて、
結婚に踏み切れない、
というのは完全に自分もそちら側で、
「自分は結婚しない」と思っていた人間なので、
のっけから引き込まれてしまいました。
結婚する/した理由を答えられるタイプの人と
答えられないタイプの人、どちらもすてきだ。

登場人物が各々惹かれるさまに、ものすごく説得力がある。
あぁ、彼女(彼)はこのひとのこういう部分がまぶしくて
しかたがないだろうな、っていう。
ふみにないものがあふれでまくっているけれど、
なんとなく「孤独」との距離が似ているたもつ。
絵をやめてしまった姉のことをわかりたくて描く二胡
焼けてしまった駄菓子屋の話に「本当かどうかなんて
どうでもいいよ」と言うふみを見るさとみの表情。
伊藤沙莉ー!
結婚して子どもがいても自分のセクシュアリティ
なおよくわからないって、めちゃくちゃ信頼できる。


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クライマックスの大室山のシーンでは
笑いながら泣いてしまった。
みもふたもないたもつの叫びに呼応したふみの叫びは、
きっと彼女の気持ちに対してあまりにも単純化されすぎていて、
余白やひだの部分が吹き飛んでしまっていただろうけど、
それでも叫ぶべき時があるんだろうな。
魅力的だー!どうしたらいいんだー!

「その魅力の本質を知ってしまっても、
憧れ続けることができるのであれば……」という〆は、
ちょっと言語化しすぎなきらいはあるけれど、
完全にFAなのでしかたがない。
ほんとそうだよな。


★★★★