トロフィー


父の大切なモノを売ったー。
家族、友達、そして朝鮮舞踊。そのすべてのあいだで揺れる、少女ソヒの物語。

監督・脚本:孫明雅
撮影:山崎裕
編集:小原聡子
美術:徐賢先 大原清孝
衣装:小林身和子
メイク:知野香那子
助監督:⻆屋拓海、中島将、石井翔
音楽:Yonrimog


是枝監督や西川美和監督の監督助手を務めてきた孫明雅監督の長編デビュー作。分福にまたすごい監督が。身も蓋もない言いぐさだけど、これからめちゃくちゃ賞を獲っていきそうな監督だなぁと思いました。ご自身も在日コリアン3世ということで、本作では様々な政治的・文化的背景、ジェネレーション・ギャップなど、問題のグラデーションを繊細に描きながらも、普遍性の強度がすさまじい。


ソヒ一家と家族構成が同じで、下町に住んでいて、踊りを習っていて、おまけにARMYのわたしには、「あるある」の解像度が高すぎた。生意気ざかりだけど友だちといるとまだまだあどけない長女のあの感じ。長女の友だちにすり寄っていく甘えたな弟のあの感じ。夫に生活や足元を見てほしい妻のあの感じ。思想ある夫が家庭を顧みて反省するあの感じ。「感情どこ行った!?」という舞踊の先生の檄。下町で自営業を営む人々のあたたかさと矜持。全部知ってる。それらがすべて現実より善く 希望をもって描かれているところに監督のやさしさを感じる。


物語が行き詰りそうになると、そのやわらかな感性で、しかしわりと強行で突破してくれる未来ちゃんがすき。わたしも朝鮮舞踊のこと知識なく色眼鏡で見ていたなぁと反省した。クライマックスのステージは、朝鮮舞踊という表現のうつくしさがぐっと伝わってきてすばらしかった。わたしも未来ちゃんみたいに「ソヒかっこいいぞ」と目がうるうるしてしまった。


★★★★

海辺の一日


原題:海灘的一天
英題:THAT DAY ON THE BEACH
監督・脚本:エドワード・ヤン
脚本:ウー・ニェンツェン
撮影:クリストファー・ドイル、チャン・ホイゴン
編集:リャオ・チンソン


観れば否応なしに心に身体に映画が残ってしまう、エドワード・ヤン作品。長編デビュー作もすごかった。もう語りたいことが完成している。

父権社会に生きる苦しみ、世代ごとに異なっていく視点、愛か金か、幸せとはー。登場人物は全員ちがったかたちの苦しみや喪失を抱えている。どの道を選んでも地獄。逃げてもまた元の場所に戻ってきてしまっているように見える。

でもちがった。とくに結局父に従うことを選んだ兄・佳森について、わたしはいつ自死を選んでもおかしくない、とずっと緊張していた。愛も仕事も失い、若くして病に侵された。そんな彼が病床で「まるで世界が僕の傍で甦るかのようだ」と言う。あぁ、彼の世界はわたしの短慮など寄せつけないほど豊かでうつくしかった。

愛(のようにみえるもの)を選んだ妹・佳莉についても同じだ。結局徳偉の心の内はなにもわからなかった。そしてふたりの関係は最悪なかたちで終わりを迎えたように見えた。けれど、それが彼女の自立や解放の第一歩でもあった。

当人たちにとってはそれほど大げさな話ではなく、単に選択肢がなかったからかもしれない。それでも留学してピアニストになった蔚青やシングルマザーの欣欣、佳莉の家出に一縷の望みを託した母と兄、そして佳莉が必死にもがいて生きたことが、社会をゆるやかに進化させたと感じられるラストシーンだった。父亡きあと、残されたたくさんの鳥かごの中にもう鳥は一羽もいない。


★★★★★

黒牢城


「心」を読め
直木賞×「このミステリーがすごい!」1位

監督・脚本:黒沢清
撮影:佐々木靖之
編集:高橋幸一
美術:原田哲男
装飾:極並浩史
衣装:真柴紀子
メイク:大村弘二、小池道子
殺陣:清家三彦
助監督:海野敦
音楽:半野喜弘
原作:米澤穂信


原作既読。これは、黒沢清と米澤穂信、どちらに思い入れが強いかで評価が割れそうな気もする。こちとら「黒沢味」を求めて通っている客なので、半透明遮蔽物!明滅する照明!表情の見えない女!土牢土牢土牢!とたいへん楽しかったです。

『首』を観たときに「この先、こんなリッチな時代劇を撮ってくれる監督って出てくるんだろうか?」と危惧していたのですが、まさかの黒沢監督の挑戦。すごくうれしいし、すごくありがたい。

多くの登場人物のバックボーンを役者の力量に託し、村重ひとりを描くことに注力した結果、監督の興味やメッセージはとてもはっきりしているように見えた。わたしはずっと黒沢監督が千代保のように「一番こわいものはなんですか?」と問うているように感じられた。ほとんどの人間が旧態依然とした世界の理からはずれることを最も恐れているように見える中、それをはずれた者たちの存在感が際立つ。


これは資本主義への警鐘や既存の枠組からの解放、というテーマにもつながっており、ジャンルも作風もまったくちがうのに『急に具合が悪くなる』と完全に通じるあたり、勝手に師弟関係を感じて胸が熱くなった。


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あと、音楽が半野喜弘なのもすごくあつかったです。


★★★★

あの世にも通じるライフハック ~不思議体験 2026~

息子の保育園の担任、T先生には霊感がある。なんでそんな話になったのか、きっかけは忘れてしまったのだが。わたしは去年やっと不思議体験デビュー*1を果たしたくらいそういうことと縁遠い人生であったため、T先生のこうした話を聞くのが楽しい。

「保育園にもいますよ」と先生は言う。おじさん。スッと影からチラついておどかしてくるの。え!こわくないんですか!?そういう時どうするんですか?とわたしは聞く。すると先生は、「ガン飛ばすんです」と言う。にらみつけるとたいていはそそくさといなくなっちゃいます。弱気を見せるとつけこまれるんで。「怒鳴りつけるのも効くんですけど、職場だと支障があるんで」。なんか現実にからまれた時とあまり対処の仕方が変わらないんだな、とわたしは思った。

話は変わるが、我が家はダイニングの窓辺にランプを置いている。外から窓辺にランプが灯っているのが見えると、なんとも言えないあたたかいきもちになり気に入っているのだが、T先生もいつも帰路でこのランプの灯りに癒されているらしい。ところが先日、ランプがチカチカと断続的に点滅し、光量が落ちてしまうことがあった。このランプは充電式なので、ケーブルを差し直してみたり、電源を切ってみたり、と色々試したのだが直らない。その日はあきらめて、翌朝もう一度トライしてみたが結局直らなかった。

夕方、保育園へ息子を迎えにいくと、T先生は連絡事項を伝えたあとに「昨日窓辺のランプすごい光り方してませんでした?」と切り出してきた。そうなんですよ~、いろいろ試してみたんだけど、どうしても直らなくて…。気に入ってたんだけど、故障しちゃったかな?と言うわたしに、先生はうーんと唸りながら、「それはいたずらされてますね」ときっぱり言った。そして力強く「ちょっと言っときますね!」と続けた。いたずら?誰が?言っときますね?誰に?とたくさんの疑問符が頭に浮かんだが、わたしは「言っといてくださいwww」とかるく返した。かくしてランプは点滅しなくなった。

この話を仲の良いママ友に話した。彼女は看護師をしており、つまりこうした話には事欠かない職場にいる。そのような職場にいながら、彼女もまったく霊感がないため、自身が不思議な体験をすることはほとんどない。ただ一時期、頭や肩や背中が重くて重くてしかたがなく、鍼や整体など何を試しても治らなかったことがあったらしい。そんな時、たまたまやはり霊感のある元同僚と飲む機会があった。彼女の悩みを聞いた元同僚は、彼女の後方を見つめながらこう言ったそうだ。「だいぶ憑かれてますね」。え!そっちのつかれ!?と彼女が驚くと、「日本語ってよくできてるもんで、そういうの全部つながってるんですよ」とのこと。そしてやはり、「ちょっと言っときますね!」と続けたそうだ。かくして彼女の頭や肩や背中の重みもなくなった。

この方もふだんはまったく怒らない温和な方なのだが、人ならざるものにちょっかいをかけられた時は、怒声を浴びせるそうだ。「『生きてるやつが一番強いんだから引っ込んでろ!』って言うといいですよ」。

なんだこれ。ガンを飛ばす。なめられたら負け。怒声を浴びせる。強いやつが勝ち。そして何より効くパイセンの一言。結局あの世でもヤンキー的な作法が有効ってことなのか?そう思ったら、無性につよくありたくなった。さいわいわたしは下町暮らしでお手本はたくさんいるから。

ちなみに、T先生曰く「霊感がある人ってなんとなく同類がわかるんですが、パパってちがいますか?」。名指しされた夫だが、わたし同様に霊感はまったくない。先生にそう伝えると、「んー。じゃあすごく強力な守護霊とかかな…。九死に一生を得たとかそんな経験ないですか?」と重ねてくる。そんな話も聞いたことないな、本人に覚えがないか聞いてみますね、とその時は返した。
後日、彼はハードコアのライブでダイブしたものの、誰も受け止めてくれず頭から落下し、腰椎を骨折することとなる。救急搬送された病院の先生は、わたしに状況を説明しながら「すごくラッキーですよ。脳に異常がなくて、体に麻痺もないんだから」と言った。おそらく夫はあたりまえのようにこんなことをたくさん通り抜けてきたのだと思う。無自覚に悪運がつよい人間はこわい。すごく強力な守護霊さまとやらにもっと感謝するべきだと思った。


最後に、すごく好きな記事を貼っておきます。やっぱヤンキーが最強よな。

macgyer.hatenablog.com

*1:ちなみにこの話も嬉々として先生に報告したら、「それは座敷わらしですね」と即答された

急に具合が悪くなる


この魂の出会いが 世界を変える
生涯忘れえぬ3時間16分。心を強く揺さぶる比類なき傑作。

監督・脚本:濱口竜介
脚本:ルディムナ玲亜
撮影:アラン・ギシャウア
編集:山崎梓
美術:ミラ・プレリ
衣装:カロリーヌ・シュピート
音楽:サミュエル・アンドレイエフ
劇中ワークショップ・演劇指導:砂連尾理
原作:宮野真生子、磯野真穂


暫定今年ベスト。『ドライブ・マイ・カー』と同じく、非常に映画化が難しい原作を土台に、監督の色やメッセージを乗せつつ、原作の核がきちんと鑑後感に残るようになっている。とくに、本作は資本主義の構造やユマニチュードの話、フランコ・バザーリアにまつわる劇中劇を取り入れながら、「内部と外部」「境界」「自他に対するケア」の問題へとつないでいくので、多くのイシューが連動していく手際にも感嘆するし、それだけ多くの人にいろいろな角度から刺さる可能性がある映画だとも思う。

わたしには原作からも感じた「命を燃やすこと」「勇気」という側面がつよく刺さった。たとえ今はうまく発揮できていなかったとしてもそのひとの奥にくすぶっている生を引き出そうとする姿勢。そして、理想主義と冷笑されようとも改革に挑戦しようとする勇気。看護師ソフィの意見はあまりにも現実なのだけれど、それでも映画では「可能かもしれない」希望を描いた濱口監督はクレバーでとても熱い人だと思う。『急に具合が悪くなる』は、『ドライブ・マイ・カー』以後、はじめて心が動いた企画だったとのことだが、この原作の翻案の仕方にもものすごい勇気を感じる。自由の庭で手を取り合って横一列に進む人たち、ピナ・バウシュの作品みたいだった。

あとは、カンヌ国際映画祭女優賞W受賞も納得の、岡本多緒さんとヴィルジニー・エフィラさん。二言語を横断するやり取りが心地よすぎて、時間を忘れさせる。とくに運命的な出会いのわくわく感は、シチュエーションは違えど原作を完全に再現していると感じた。

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一方で、終盤のふたりの関係性にはすこし残念な部分もあった。原作には、「一年足らずの間に出会いのわくわくと喪失の恐怖が急降下しながら同時にやってくる」という体験が描かれていて、後半に向かうにつれ、宮野さんがこの世からいなくなってしまうことに対する磯野さんの悔しさが突き刺さってくる。どんどん鋭さと重みを増す宮野さんの言葉に対して、磯野さんは驚異の真摯さで相対し、宮野さんのATフィールドに達するような凄みを見せる。原作ではふたりは共に「ラインを描く」バッテリーだったのだが、映画ではわたしにはマリー=ルーからのボールがやや弱いように感じてしまった。吾朗さんの「その一瞬一瞬のほかに何がありますか」が良すぎるだけに。フランス人だらけの観客の中で真理が日本語でマリー=ルーにだけ語りかけたシーンと対になるような、マリー=ルーのスピーチにもそのつよさがほしかった*1
でも、くり返される「まだあなたのこと何も知らない」と、カップヌードルはかためがすきだと知っていることだけで、もう充分エモいのかもしれない。


ちなみに原作の感想はこんな感じです。

濱口竜介監督が映画化するとのことで。まさしく濱口映画のモチーフである「偶然と必然」「他者との対話と関係性」の究極のような書簡集で、完全にくらってしまった。奇しくもアルモドバル監督作『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』にも通じる思想を感じた。

がんに侵された哲学者・宮野真生子と彼女に伴走することとなった人類学者・磯野真穂。哲学者ならではの緻密な視線で生死や己の思考を見つめる宮野さんと、驚異の真摯さと引き出し力で相対する磯野さん。お互いの知性や人間性への信頼と尊敬がなければ構築し得ない関係性。一年足らずの間にこの出会いのわくわくと喪失の恐怖が急降下しながら同時にやってくる稀有な体験を走り抜き、文字にし続けた「運命的姉妹」に心底頭が下がる。


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追記:
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この説なら後半なんとなく違和感を感じたところ、全部説明できてる。
こういう形で磯野さんの哀切を表現していたのかと思ったら鳥肌が立った。


★★★★★

*1:「死ぬんじゃねーぞ」「勝ちにいこうぜ」をカットしているのは、原作者の意図を汲んでのことだと思われるので仕方ないけれど

新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』@ 新国立劇場


演目自体も一番好きな『白鳥の湖』。去年国内二大推しの一人日髙世菜さまの白鳥を観ることができたので、わたしの中で双璧をなす米沢唯さまの白鳥も絶対に観たかったのです!土日のチケットは早々に完売していたので、半休を取って平日の回へ行ってきました。


耽美なヌレエフ版明快な熊川版と観てきて、今回はサー・ピーター・ライト版。これがマイム多めで、とても演劇的なつくり。バレエのテクニックはもちろんお芝居としての表現力が要求されると感じました。


まず、王の葬送から始まるこのバージョン。暗くて陰鬱。第一幕の宮廷シーンは王子が軽佻浮薄に見えがちだけれど、冒頭の王の葬儀が重しとなって、王子の重圧や憂鬱に共感できる。その代わり盛り上がり切らないというか、地味な印象もぬぐえない。演者のお芝居の力量によっては退屈してしまうかもしれない。

その点、いつも役を生きている米沢唯さんは適役すぎる。あいかわらず全幕通して一分の隙もないボディ・コントロール。とくに第二幕は感動した。今まで観てきた白鳥の中で、唯さんの白鳥は最もか弱くて怯えていて絶望が深かった。それが王子と踊るにつれて心がだんだんほどけてゆく。唯さんの踊りを見るといつも「すべてのパに意味があるんだなぁ」と思う。それくらい踊りに感情の動きが見える。パ・ド・ドゥでのパートナーとの距離までこんなに緻密にコントロールできるもの!?とびっくりするくらいじわじわとふたりの距離が縮まっていく。

そんな唯さんのパートナーを今回務めるのはキング・福岡雄大さん。『白鳥の湖』では何度も唯さんと組んでいる鉄板コンビのようです。わたしは唯さんとのコンビははじめて拝見したのですが、華とオーラがすごい。Xで「物語を紡ぐペア」と表現されている方がいて、まさに!と思いました。やはり踊りでドラマティックに物語れるのがプリンシパルたるゆえんだな、と。わたしはどちらかと言うと男性は涼やかで影のあるダンサーが好きなのですが、福岡さんのジークフリードはしっかりとした実在感に説得力がありました。


幕間。ついに第三幕、唯さん黒鳥 待ちきれない!と興奮のあまり、スワンシューを注文してしまいました。

黒鳥もやはりすごかったです……!WSに参加したとき、「わたしが闇の力を手に入れたら」といたずらっぽく笑っている唯さんを見て予感していましたが、似合う!!!純粋悪!無邪気な猛禽類!王子を手玉に取ることを心の底から楽しんでいるのが伝わってきました。ラストは完全に高笑いが聞こえた。圧巻。


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他に好きだったのは、こちらもレッスンを受けたことのあるポーランド王女役の根岸祐衣さん。すてきだった~~~。長身ではいらっしゃるのですが、舞台上だとさらに大きく見える踊りと存在感がかっこいい。

お芝居でも場外でもめいっぱい楽しませてくれて、本当にありがたいです。


あとは、クルティザンヌとナポリを踊った東真帆さんの空気を包み込むようなアームスと上体も印象的だったし、中島瑞生さんは元々上手い方だけれど、もう王子の友人役では収まりきらない突出した華と技術があって、早く王子に配役してあげてほしいと思いました。BALLET THE NEW CLASSICでは、なんと日髙世菜さまのパートナーを務められるということで、大幅レベルアップ確実かと。


そして、やっぱり大好き群舞!万華鏡のように変わっていくフォーメーション。湖面に白鳥たちの影がうつるような演出にうっとりしてしまいました。ずっと観てられるよ。


こうなってくると、ブルメイステル版も観たいんだけど、ここは伝田さんのキャスティングを待とうかな……と。やっぱり白鳥は自分にとって特別なダンサーで観たいんですよね。中島映理子さんでも良いです……!

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シラート


知る前に、進め
予測不能×衝撃の映画体験

原題:SIRAT
監督・脚本:オリベル・ラシェ
脚本:サンティアゴ・フィロル
撮影:マウロ・エルセ
編集:クリストバル・フェルナンデス
美術:ライア・アテカ
衣装:ナディア・アシミ
音楽:カンディング・レイ


去年の東京国際で観た友だちが激推ししていたので、わくわくしながら初日に行ってしまったのですが……。天国と地獄を結ぶ細い道。タイトルそのものの物語。コピーに偽りなし。圧倒的な衝撃体験としか言えない。


映画としての完成度はすごいと思う。バチバチにキマった画、ジャンルの枠におさまらない突き抜け方、メタファー汲み取り放題の洗練された余白、リアルなレイヴァー・キャスティング。暴力的な理不尽さの中にもぽっかりとした安らぎやおかしみもあるし、極限まで削ぎ落された中に表現したいことが最大限効果的に乗っている映画だとも思う。


でも、でも、好きって言いたくねーーー……。あまりにも神の視点じゃない?
あと、わたしにはアラート必要な映画だったよ!


★★★