マルセル 靴をはいた小さな貝


貝だって人生は、ままならない
体長2.5cmのおしゃべりな"貝"
SNSでバズってしまい、一躍全米の人気者になるのだがー
実写×ストップモーション、奇跡の融合

原題:MARCEL THE SHELL WITH SHOES ON
監督・脚本・編集・キャラクター創造・原案:ディーン・フライシャー・キャンプ
脚本・キャラクター創造・原案: ジェニー・スレイト
脚本・編集・原案:ニック・ペイリー
原案:エリザベス・ホルム
撮影:ビアンカ・クライン
美術:リズ・トゥーンケル
音楽:ディザスターピース


娘(7才)&息子(3才)といっしょに吹替版を鑑賞。2回に分けて観ようかな~と思っていたのだけれど、飽きずに完走してくれました。

まずは、マルセルがとってもかわいい!かしこい!よい子!そして『借りぐらしのアリエッティ』的な創意工夫に満ちあふれた豊かなくらし!子どもたちがとくに喜んでいたのは、レコードの上で踊るところと、クランベリーのゲロをはくところ(笑)ポップコーンを食べながら観ていたので、虫眼鏡で日光を集めて種をはじけさせていたのにも盛り上がっていました。もちろん再会のシーンでは大歓声。

おとな的には移民/難民やヤングケアラーといった現代的な問題意識が感じられるメタファーや、メディア論にもなっている映画全体のつくりなどにもハッとさせられました。

やはり心に残ったのはおばあちゃんのふるまい。ピンクのクレヨンで顔色良く見せながら、孫の背中を押そうとするなんてさ…(娘に説明しながら泣いてしまった)。鑑賞した次の日の朝も、子どもたちが「貝のおばあちゃん……」と思い出していたのが印象的でした。

娘が「おばあちゃんかわいそう…」としんみりしていたので、「でもあんなにきれいなお墓をつくってもらえて、マルセルに歌ってもらって、みんな集まってくれたからしあわせだったんじゃない?」とつい教科書的な返しをしたら、「でも生きてるうちじゃないと」と言われてしまった。娘はひたすらに「今」を生きる気質なので、彼女らしい回答だなぁと思いました。


★★★★