グラン・トリノ

f:id:tally:20181229115903j:plain


俺は迷っていた、人生の 締めくくり方を。
少年は知らなかった、人生の始め方を。
妻に先立たれた孤独な老人ウォルト・コワルスキーが隣に住むモン族との交流を深めていく。血よりも濃いてえ水もある。

原題:GRAN TORINO
監督・製作:クリント・イーストウッド
原案・脚本:ニック・シェンク
音楽:カイル・イーストウッド / マイケル・スティーブンス


こうしてあらすじを書いてみてもまったくおもしろそうに思えなく、巷での高評価も半信半疑だったのですが、結果、GWの大トリに持ってきて大正解!!!すげえ映画でした。怪作!
わたしはイーストウッドさんというひとをよくもわるくも堅いひとだと思っており、がっちりこころをつかまれることはないだろうと思っていたのですが、いや〜、やられました。もってかれました。

とにかく前半は笑いっぱなし。
自分でもどうかと思うほど、ツボにはまりました。イーストウッドさんが「うー」とか「ふー」とか「ぐるるー」とか言いながら、悪態をつき、苦虫をかみつぶしたような顔で登場する(しかもへんなドラムロールみたいな音つきでやってくる)たびに、「よっ!江戸っ子。待ってました!!」てな具合に手をたたきかねない喜びぶり。そのままの流れでいきいきと描かれる登場人物たちに完全に好感を持ってしまい、気づけばがっちりロックされていました。

最後、イーストウッドさんが覚悟を決めてからはずーっと泣きっぱなし。
ダークナイト」では舌打ちしていた、「男の美学」とか「自己犠牲精神」もあそこまでクラシカルでシンプルだと、潔い。やりすぎなかんじのラストですら一言では言い表せない味わい深さと余韻を残してくれました。イーストウッドすごいぜー。


★★★★