アメリカン・スナイパー

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全米史上最多、160人を射殺した、ひとりの優しい父親。

原題:AMERICAN SNIPER
監督・製作:クリント・イーストウッド
脚本・製作総指揮:ジェイソン・ホール
撮影:トム・スターン
編集:ジョエル・コックス / ゲイリー・D・ローチ
美術:ジェームズ・J・ムラカミ / シャリーズ・カーデナス
衣装:デボラ・ホッパー
原作:クリス・カイル / スコット・マキューアン / ジム・デフェリス『American Sniper: The Autobiography of the Most Lethal Sniper in U.S. Military History
ネイビー・シールズ最強の狙撃手)』


圧巻!すさまじいまでのキレ。イーストウッド新作にもはやハズレは出ないのではないか。完膚なきまでにアメリカの光と闇を描き切っている。アメリカが背負っているものの重さがつまった無音のエンドロールには、打ちのめされて途方に暮れてしまった。

「光と闇」というものもそうだけれど、相反するものを掴みとって観せるバランス感覚が、あいかわらず神がかってる。戦争の肉弾性とメロウさ、テーマの重厚さと映画としての娯楽性。戦争ってほんとうに嫌だなあと思いつつも、狙撃シーンのスリリングさに思わずこぶしを握ってしまっている自分がいる。

クリス・カイル本人はもちろんのこと、嫁/子ども/兄弟/同僚/敵方、登場人物の誰になっても、あまねくつらすぎるところに、アメリカの偉大さを感じてしまった。


★★★★