ニューヨークの空の下。歌と出会って、明日が見えた。
スターダムを駆け上がる恋人について、イギリスからニューヨークへとやって来たシンガーソングライターのグレタ。恋人に捨てられた彼女だが、崖っぷちの音楽プロデューサーに拾われることに。2人はニューヨークの街角で次々とゲリラレコーディングを敢行していく。
原題:BEGIN AGAIN
監督:ジョン・カーニー
撮影監督:ヤーロン・オーバック
編集:アンドリュー・マーカス
プロダクションデザイナー:チャド・キース
衣装デザイナー:アージュン・バーシン
音楽:グレッグ・アレキサンダー
なんの前知識なく観ていても、たぶん『ONCE』のことを思い出したであろう。ちょっとベタで古めかしい展開も含めて、ウェルメイドの最上級!!
なにしろニューヨークのあちこちでゲリラレコーディングするシーンがいきいきと撮られているだけで、ぐっとこざるをえない。楽しそうに音楽を奏でている様子ってそれだけで幸せで泣けてしまうよ。
とくに偶然を味方につける最初のレコーディング!音楽の神様を降ろしてくる昂揚感!この作品は、恋人関係/親子関係など、人間関係のもつれをすべて音楽で解決しようとしていて、この監督が「音楽の力」を信じるつよさは変わっていないのだなあ、としみじみ思った。
2人でiPod聴きながら夜徘徊とか、Gu.とBa.で親子共演とか、留守録に渾身の恨み節とか、ベタだけど、やっぱり甘酢よなー。映画観た後もついつい口ずさんでしまうような優良楽曲群も◎。
「人と人との距離感」の撮り方も、『ONCE』の時と変わっていなくて、ほっとした。ラスト、グレタが音楽や恋愛についていくつかの選択をするのだけれど、「そっちだよね!やっぱり!」という方向に行ってくれて、後味清涼感。
あとは、キーラ・ナイトレイのナチュラルにチャーミングな役って久しぶりに観たので、とても良かった。歌声含め素の魅力を堪能して、改めてすごいなー、と感心しました。
脇にもMAROON 5のアダム・レヴィーン、CeeLo Green、MOS DEFらがキャスティングされていて、ちょう得した気分。*1
★★★★