レディ・バード

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羽ばたけ、自分
青春の輝きと痛みを知る 誰もが共感して心震わせる
これは、あなたの物語

原題:LADY BIRD
監督・脚本:グレタ・ガーウィグ
撮影監督:サム・レヴィ
編集:ニック・ヒューイ
プロダクションデザイン:クリス・ジョーンズ
衣装デザイン:エイプリル・ネイピア
音楽:ジョン・ブライオン


ばっちりターゲットにされている自覚があり、期待しすぎて心配だったのですが、杞憂でした。きっちりストライクに入ってきた。ありがとう!愛してる!グレタ・ガーウィグ!今のところ、今年最も「わたしの映画」だと思います。

『ローラーガールズ・ダイアリー』『スウィート17モンスター』系譜の、愛すべきぼんくら女子高生の成長譚であることは予想していたものの、長い間仮タイトルが『Mothers and Daughters』だったとグレタが語る通り、予想以上に王道の母娘モノでした。

自分は母歴2年弱、マインドは大学生のままということで、マリオンにもクリスティンにもつまされるところがあり、きもちがいそがしい。娘に「Best version of yourself」であってほしいと願うきもちと、今のありのままの娘を「Best version」であると受け容れたいきもち。母親の呪いはデフォルトだけど、最高のドレスを見つけてくれるのも母親。何も言われなくなってはじめて、「Pay attention」=「Love」という言葉に合点がいく。マリオンが一周して空港へと戻るシーンには涙がこぼれ、結局見送りに間に合わなかったのが、本当にいいなと思いました。遠きにありて思うふるさとの描写も、レディ・バードがクリスティンになるラストも、奇をてらわないストレートさにぐっときました。

初監督作ということで、まだ荒さが目立つし、散文的だったりもするけれど、登場人物全員に事情や物語があって一面的でないのが、基本的に信頼できる……と思いました。なにしろキャストがすばらしすぎる!主要キャストはもちろん、最旬のティモシー・シャラメルーカス・ヘッジズジョナ・ヒル妹のかわいさ、たまらん!


★★★★