イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密


挑むのは、世界最強の暗号―。
英国政府が50年以上隠し続けた、天才アラン・チューリングの真実の物語。
第87回アカデミー脚色賞

原題:THE IMITATION GAME
監督:モルテン・ティルドゥム
脚本・製作総指揮:グラハム・ムーア
編集ウィリアム・ゴールデンバーグ
プロダクションデザイン:マリア・ジャーコヴィク
衣装デザイン:サミー・シェルドン・ディファー
音楽:アレクサンドル・デスプラ
原作:アンドリュー・ホッジス『Alan Turing: The Enigma
Based on a True Story.


博士と彼女のセオリー』と2本続けて、こちらの能天気さを裏切る「天才モノ」。エニグマ攻略してフ〜〜〜ゥ♪って映画かと思っていたら、こちらも「天才っていいもんじゃないな……」と真顔になってしまう映画でした。

偉大な頭脳がなにものにも邪魔されることなく、真価を発揮できる環境というのは、ほとんど不可能に近い。研究者に供される資金/時間/人材には限りがあり、政治やプライベートも偉大な業績を押しつぶす要因になる。理研・笹井氏を思い浮かべたりもしました。スポーツ選手に一流のスタッフのサポートがあるように、研究者も守り鍛えてほしいな〜と個人的には思います。とくにアスペルガーとか多いんだし。

そんななか良かったのは、同性愛者と知りつつチューリングと結婚しようとしたキーラ・ナイトレイ演じるジョーン・クラークの言葉。村上春樹でいうと「それを熱源にして、自らを温めていくことができる滋養あふれた言葉」。すべてを失っても、自分の本質を理解してくれるひとが1人はいる。チューリングといっしょに観客も救われた気がしました。


★★★