オーバー・フェンス

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誰もがその場所から飛び立てるのを信じてた
一瞬で過ぎゆく函館の夏、フェンスの先に見つけるのは愛か、希望か――。

監督:山下敦弘
脚本:高田亮
撮影:近藤龍人
編集:今井大介
美術:井上心平
衣装:馬場恭子
音楽:田中拓人
原作:佐藤泰志『オーバー・フェンス』(『黄金の服』所収)


蒼井優を見ると、自分が男だったらこういう女子にひっかかり続ける人生だったろうな……って気がしてならないのである。メンヘラを補って余りある魅力、香る魔性。そいつが本作でも炸裂。

かなりファンタジックな情景を入れこみつつも、撮影と演技のおかげか妙に艶やかさ・生々しさが息づいている印象。もともとそんなに恋愛映画にときめくタイプでもないし、おとなになりきれないポンコツたちのみっともなさに目を覆いたくなるような場面もあるのだけれど、ひさしぶりに何かのスイッチを押されたような感触を味わいました。なんだかふしぎとドキドキしてしまった。

あとは「お魚見る〜?」という最高なシーンがあり、笑いと『怒り』と同じく無意識のうちに相手に下していた評価がくつがえる驚きと、「今後我らが夫婦にも起こるであろう…」という不安と、がないまぜになった忘れがたいきもち去来。

追記:
辛酸なめ子先生が「この作品を観ると錆び付いていた求愛センサーが稼働しそうです。」というコメントをよせていて、「あ〜それだわ〜〜」と思いました。


★★★