私たちは、もう媚びない-
2008年リーマンショックで困窮するニューヨーク・ウォール街。
裕福な金融マン達を相手に大胆な詐欺を企てたストリッパー達を描く、驚愕の実話。
原題:HUSTLERS
監督・脚本:ローリーン・スカファリア
原案:ジェシカ・プレスラー
撮影:トッド・バンハーズル
編集:ケイラ・M・エムター
美術:ジェーン・マスキー
衣装:ミッチェル・トラヴァーズ
Inspired by a true story.
ひたすらにJ.Lo姐御の背中を拝み、J.Lo姐御の尻に札ビラをばらまき、J.Lo姐御のファーにつつまれたい映画。『ロング・ショット』に続き、時代が待っていたやーつ!
とにもかくにもJ.Loがすごい。なんでオスカー獲れないの?Fiona Apple "Criminal"にのってほぼ紐のコスチュームで圧巻の登場をキめ、即叩き出す5億点!心の中でバンバン札を投げましたよ。まさに"The one, the only... Ramona!!!"
そこからの、屋上での"Climb in my fur."このコンボにゴロニャーンとならない人類がいるだろうか(反語)。
Sisterhoodモノとしてもとてもよくできていた。女たちの連帯の強さやチート状態時のきらめきを描きながらも、その絆の脆さ・儚さや流動性もしっかり描いている。嫉妬、評価、集団性、ライフステージの違いによる疎遠-女ならではのリアルが胸に迫ってくる。
最高の時は一瞬で終わってしまうとわかっているからこそ、主人公が"THE LAST GREAT NIGHT"と回想するUsher来店のシーンの多幸感はただごとじゃない。J.LoとUsherの2ショットの破壊力よ-完全にターゲットにされている自覚があった。
“Motherhood is a mental illness”というパンチライン。この映画には基本的にこの精神が通底しているのがすばらしいと思った。ちょっとお道化て茶化してみせながらも、皮肉と自戒を込めて、孤独な母親をやさしく受容するような言葉。この言葉で理解できることがたくさんあるような気がする。
Brotherhood映画では妻子を捨てて友情を取ることができるが、Sisterhood映画ではMotherhoodがそれを阻む。その哀しさったらないけれど、その選択を受け止めるのもまちがいなくMotherhoodなのだ。財布から写真を取り出す、菩薩のようなJ.Loの姿には涙が止まらなかった。
個人的には、この集団に所属した場合、わたしはまちがいなくコンスタンス・ウーのポジションだと思う。わたしがデスティニーだった場合、ラモーナを裏切ることはないが、その代わり他人の裏切りも絶対に許さない。そんな自分も「人にやさしく」と自省できるような映画だった。
★★★★