時空を超え"最強"集結ー
人類滅亡の歴史を変える超速タイムループ・アドベンチャー!
原題:THE FLASH
監督:アンディ・ムスキエティ
脚本:クリスティーナ・ホドソン
撮影:ヘンリー・ブラハム
編集:ジェイソン・バランタイン、ポール・マクリス
美術:ポール・デナム・オースタベリー
衣装:アレクサンドラ・バーン
音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ
小二病の自分がぐいぐいひっぱりだされた!決めポーズか~ら~の~走りーーー!速ェーーー!オラわくわくすっぞーーー!とくに冒頭の、まさに「朝飯前」に世界を救ってみせるシーンが最高!「赤ちゃん」「セラピードッグ」「看護師」というこの世の尊さが凝縮された対象を救い倒してくれるフラッシュ!すごいたのしいだいすき!
まず、エズラ・ミラーの魅力パネェ……。彼の素行は決して肯定できるものではないけれど、演技力は否定できない。終始ほぼ出っぱなしの二種エズラ……ずっと見てられるよ。基本は同じ人間が、違うバース/キャラ/年齢で存在しているのをとても自然に演じ分け、なおかつ終盤2人のバリーがそれぞれ違ったかたちで成長する様子も完璧に魅せてくれる。
そしてやらかしキャラだけどにくめない、最後まで「こりないな……」感も含めて、リアルエズラを照射するような役で……。残念ながら私生活の彼あっての唯一無二の味わいがあり、その奇跡的なチャームに逆らえなかった。
2人のバリーによるシンメ共闘のアイドル性の高さは異常。監督にドルオタの資質感じた。
あとは、人を救うためにがんばって走って走って走りまくる、という描写にシンプルに胸を打たれた。(「時かけ」じゃん。)たとえ正しくなくて、世界をめちゃくちゃにしてしまったとしても、どうしてもそのいじらしさにほだされてしまう。最後の歴史改変に「まるで成長していない……」と怒る人がいるのはわかるのだが、わたしは情で許してしまった。(ちょろい。)
映画そのものも、良質な青春成長譚になっていた。スパイディがアイアンマンから魂を継承したように、今作ではフラッシュがベンアフバッツの「悲劇が自分をつくった」という悟りと現在の肯定を継承するというストーリーになっていたと思う。
同時にDC祭り映画でもあって、DCをまだらにしか履修していない自分にとっては、とても親切な設計だった。キートンバッツも新スーパーガールもスーパーニコラス・ケイジも最高で、サービス満点にしてくれてありがとう!と思いました。ただ、個人的には、中盤がややだれたと感じたので、120分を切るタイトなつくりだったらもっと好きだったかなと思いました。
★★★★