戦わなければ、変わらない。
松平斉韶の暴政を食い止めるために、13人の精鋭が極秘に暗殺へと乗り出す。This is スパルタァァァ！VS300人のラストは５０分の長丁場。
監督：三池崇史
脚本：天願大介
原作：池宮彰一郎
音楽：遠藤浩二
なんでそうなったのかわからないけど、初日に。
良くも悪くも三池監督らしい足し算演出。観客に想像や余韻の余地を与えず、足して足して足して引っぱりまくる。おもしろくないわけないです。外人とかめちゃくちゃ喜びそう。豪華な役者陣はやっぱりみんな良くって、見応えありました。
ただやっぱり三池監督の好きじゃないとこも健在で、そこらへんは終始気になる。雑（特に後半になるにつれ）。めりはりがない。最後全部蛇足。
結局侍映画で、多勢VS無勢だと、無勢側の死にざまがキモになってくると思うのですが、これが全然ぐっとこない。だいたい２人組で行動してて、片割れがやられて「○○（名前）ーーー！うおー！！！（で多勢に向かっていく）」みたいなののくり返し。あと戦略の妙や個人戦の見せ場がほとんど前半に集中してしまっていて、あとは順番に（大物を残しつつ）死んでいくのが予定調和。
さらに、多勢側のキレももうちょい描いてもよかったかなと思いました。せっかく冒頭、稲垣吾郎扮する悪殿様の何しでかすかわからない残酷オーラがハマってたのに、後半は戦にご満悦って描写ばっかりで全然こわくない。どうせ刺客側の死に様を緩慢に描いていくんなら、１人くらい稲垣吾郎に捕まってクソ非道に拷問されてみてもよかったんじゃないか、なんて思いました。
なんのかんの言いましたけれど、おもしろかったんです。ただ三池監督作の中では好きなほうだったので、もっとよくなったのに惜しいな、と。観客の年齢層はかなり高かったのですが、若者もっと観ればいいと思う。
ちなみにおかんもいっしょに行ったのですが、おとうさんに感想を聞かれて、「人がねえ。ばっさばっさいっぱい死んだよ。うふふ。」と述べており、静岡県民の狂気を感じました。
★★★
