マッドマックス フュリオサ


原題:FURIOSA: A MAD MAX SAGA
監督・脚本:ジョージ・ミラー
脚本:ニック・ラザウリス
編集:エリオット・ナップマン、マーガレット・シクセル
撮影:サイモン・ダガン
美術:コリン・ギブソン
衣装:ジェニー・ビーバン
音楽:ジャンキーXL


最初に断っておくと、しっかりおもしろかったし、アニャちゃんの存在感もすばらしかった。本作からFury Roadに至るまで、メカの技術が進歩していくさまが感じられるのも楽しかった。(ベン・ハー車笑ったww)ただ、自分が観たかったフュリオサ前日譚ではなかったなぁという感じでした。


観終わってから気づいたのですが、わたしはフュリオサが強くなるための鍛錬やシタデルでのし上がっていく過程、イモータン・ジョーとの関係性について知りたかったようで……。本作ではそのへんがあまりにもフンワリしていて、ノイズになってしまいました。ディメンタスもジャックもとても良いキャラなのだけれど…。


ジャック以外にはいつ女バレしたんだろう?とか、ジョーやリクタスの興味はいつ失われたのか?とか、フュリオサがあのポジションに就くにあたっての障壁や謀略はなかったのか?とか*1。フュリオサに訪れる2つの大きな不幸はいずれもディメンタスによってもたらされたもので、シタデルでは当然するはずの苦労があまり描かれずぬるっと出世したように見えてしまった。
あと、アニャちゃんは眼で全てを語っていたけれど、わたしはどうしても肉体が気になってしまった。シャリ姐には隊長としての説得力が備わっていて勝てない感じあったけど、わたしがウォー・ボーイズだったらアニャちゃんにはワンチャン下剋上しかけるけどな*2


そんなわけで、意外に推せたのは前半。この幕のバッドエンドはわかっているのにそれでもぐっと入り込ませてくれた、フュリオサのママことメリー・ジャバサ(チャーリー・フレイザーさん)最高最高最高!馬からバイクに乗り換えるシーン、いろんな角度から映画的でしびれました!

少女時代のフュリオサ役のアリーラ・ブラウンちゃんもとても光っていて、むしろこの親子をずっと観ていたい……となってしまいました。


★★★★

*1:LINEマンガの民だからどうしてもそういうの観たくなってしまうんだけど、ウォー・ボーイズはみんな気のいいやつらだからなのかな?

*2:とことんウォー・ボーイズ目線のおれ