蛇の道


どこまでも、追い続ける。
時と国境を越えて辿り着く、"徹底的な復讐"の先に待つものとはー

原題:LE CHEMIN DU SERPENT
監督・脚本:黒沢清
撮影:アレクシ・カビルシーヌ
編集:トマ・マルシャン
音楽:ニコラ・エレラ
原案:高橋洋


新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

さて、新年一発目。やっぱり干支映画観るでしょ!ということで、大事にとっておいたこちらを。

いやー、おもしろかったです!しかしもはやこのおもしろさを説明するのが難しいし、黒沢清監督を知らない人が観てもおもしろいのかが全くわからない。こちとら、生活に根差した恐怖!ルンバ!ママチャリ!で歓喜なので、「あの味」を求めて通っている客としか言いようがない。

柴咲コウの熱演はすごかった。西島秀俊青木崇高という至高のヤダ味キャスティングも、マチューがめちゃくちゃイキイキとひどい目に遭っているのも、見どころがありすぎた。死体の置き方もツボってしまった。


海外が舞台になると、少し黒沢節の怖さが薄れるような気もするのだけれど、それでもやはり人間の得体の知れなさ、無造作に差し出されるような悪意は通底しているな、と感じた。奇しくも、「女子高生コンクリ詰め殺人事件」のその後について知ったばかりだったので、この世の闇の言い知れない不気味さをたしかに感じてぞっとしたりした。


あとは、なんとなく作品的にもロケ地選び的にも濱口竜介監督の『悪は存在しない』
と通じる部分があるような気がして、勝手にうれしくなってしまった。

moviewalker.jp


★★★★